監督解任の決断は早すぎる まだランパードには時間を与えるべし

ここ数試合でなかなか結果を出すことができていないランパード監督だが…… photo/Getty Images

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ヒディンク氏は“続投”支持派

今季前半戦は上位に食らいつく奮闘を見せるも、年末年始に失速したことで現在はプレミアリーグで9位のチェルシー。前節のレスター・シティ戦でも敗北を喫し、フランク・ランパード監督の立場は次第に怪しいものとなってきている。

昨季は補強禁止処分を受けながらも、若手をうまく登用しながらプレミア4位を勝ち取った青年監督だが、彼が率いるチームは一体どうしてしまったのか。現地ではここ最近でランパード監督の解任論も囁かれ始めている状況だ。

しかし、かつてオランダ代表やチェルシーを率いた経験のあるフース・ヒディンク氏は、そんな苦しい状況に立たされているランパード監督を擁護する。同氏は自身がチェルシーの暫定監督を勤めていた頃のエピソードも交えながら、教え子の手腕を評価。現在はなかなか状態を立て直すことができていないものの、チェルシーは彼のことを長い目で見るべきと主張する。英『Daily Mirror』が伝えた。
「フランクは非常に賢い男だ。監督になった今、選手時代に成し遂げたことの多くが役に立たないことは理解しているはずだ。だけど、フランクはそれでもパニックには陥っていないと思うよ。彼はどんな時でも非常に落ち着いているからね。多くの監督は自分のアイデアを実現するため、より多くの時間を求める。若ければそれは尚更のことだろう。だが、フランクはこれまで限られた時間の中で結果を残してきた。ダービーでは監督初挑戦ながら良い仕事をし、チェルシーでは最初のシーズンでCL出場も掴んでみせた。現在は少し困難な状況を迎えているけれど、私は大丈夫だと思っているよ」

「フランクと一緒に仕事をしたときは、トップレベルの指導者になるために必要な要素をすべて兼ね備えていると思っていたよ。ピッチ外では良い人、ピッチ内ではチームで最も優れたインテリジェンスを発揮する。戦術的な観点からしても、彼は賢かったね。チーム全体に考えを浸透させるため、私はいつも彼を頼っていた。フランクはなんでも理解してくれたからね。そのとき、私は彼がビッグな男になると確信した。もちろん、最終的に責任を問われるのは指揮官だ。だが、チェルシーは判断を下すまでに多くのことを考慮する必要があると思うね」

ランパード監督のクビを切るのは簡単だが、その短絡的な決断が後の大失敗につながる可能性は高いとヒディンク氏。今季ようやく復活したものの、相次ぐ監督交代でしばらくは苦しい時期を過ごすことになった名門・ACミラン(セリエA)の例もある。ランパード監督を解任すれば、それと同じことがチェルシーで起きる可能性も決して低くないだろう。

どんな名将でも勝てない時期というのはある。それだけに、チェルシーがここでランパード監督に見切るをつけるのは早すぎるか。ダービーでも、チェルシーでも短期間で見事結果を出してきた若手指揮官。苦しい時期を乗り越えた先に大きな成功が待っていると信じたいところだが、はたして。

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