“89本”のシュートで1点しか奪えず 王者は深刻な得点力不足に陥った

得点力不足に陥ったリヴァプール photo/Getty Images

チャンスは作っているのに決まらない

DFフィルジル・ファン・ダイクなど負傷者が続出した守備が意外な安定感を見せているのに対し、現在のリヴァプールは自慢の攻撃陣が問題を抱えている。

昨年12月18日に行われたクリスタル・パレス戦には7-0のスコアで勝利したものの、そこから急激にペースダウン。1点を奪うことにすら苦労する事態となってしまった。

先日はバーンリー相手に27本ものシュートを放ちながら無得点に終わり、試合も0-1で敗れてしまった。クリスタル・パレス戦以降のゲームを振り返ってみると、リヴァプールはリーグ戦5試合で実に89本ものシュートを打っている。全てのゲームで相手より多くのシュートを打っており、チャンスはそれなりに作れている。

しかし、奪えた得点は12月27日のWBA戦で挙げた1点のみ。89本のシュートで1点はさすがに寂しすぎる。例えば12月19日のトッテナム戦から負けなしで3位まで順位を上げているレスター・シティと比較すると、レスターはクリスマスからのリーグ戦5試合で60本のシュートを放って9得点奪っている。シュート本数はリヴァプールの方が多くなっているが、その内容は大きく異なっている。

最近では右サイドバックのトレント・アレクサンダー・アーノルドが批判を浴びる機会も増えた。アーノルドはプレミアリーグを代表するチャンスメイカーの1人と評価されるようになり、昨季はリーグ戦で13アシストを記録した。ところが、今季はここまで17試合プレイして僅か2アシストだ。クロスは送り続けているが、それがシュートへ繋がらない。

1試合平均のキーパス(シュートに直結するパス)も昨季の2.3本から1.6本へと減少しており、リヴァプールの強みだったサイドバックからのチャンスメイクが効果を発揮しなくなっている。

リヴァプールが優勝戦線に残れるかどうかの瀬戸際にいるのは間違いない。28日にはトッテナムと対戦し、その後はウェストハム、ブライトン、マンチェスター・シティ、レスター・シティと厄介な相手との対戦が続く。ここでも攻撃内容が改善されずに勝ち点を落とす結果となれば、プレミア連覇の可能性が消えてしまうかもしれない。

クリスタル・パレス戦以降なかなか出番が増えないFW南野拓実を含め、総動員でチャンスを生み出していくしかない。FA杯の方では24日のマンチェスター・ユナイテッド戦で2点奪えたが、それを勝負のリーグ5連戦へ繋げられるのか。王者の意地に期待だ。

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