得点も奪えるようになったワンダーキッド 逆襲のガナーズに欠かせぬ“19歳”

あっという間にアーセナにおける最重要人物となったサカ photo/Getty Images

右サイドで得点能力も開花

今季前半戦、一時は残留争いに加わる可能性も指摘されるほど苦しい戦いを強いられていたアーセナル。しかし、年末年始の連戦で彼らは調子を取り戻したか。直近6試合のリーグ戦では無敗をキープしており、その順位も8位まで持ち直すことに成功している。プレミア屈指の名門がこの順位で“持ち直した”というのは寂しすぎるかもしれないが、しばらく15位だったことを考えれば妥当と言えるか。

だが、アーセナルが上昇気流に乗り始めたのは間違いない。そして、その立役者となっているのがクラブ期待の若い選手たちだ。MFエミール・スミス・ロウやMFブカヨ・サカといったヤングスター抜きに、今のガナーズは語れない。特に左サイドだけでなく、右サイドのアタッカーとしても覚醒の予感が漂ってきたサカのパフォーマンスは見もの。現在のアーセナルにおいて、この男は“最重要人物”と言っても過言ではないのかもしれない。

注目すべきはその決定力だ。左サイドでプレイしていた際はチャンスメイカー色の強かったサカだが、右サイドに回って以降の彼は自身が直接ゴールを決めるシーンも増えた。同選手はここまで出場したリーグ戦18試合で5ゴールを挙げているが、そのうち実に4ゴールが右サイドにコンバートされた第15節のチェルシー戦以降に決めたもの。この期間にアーセナルが挙げた得点数は「14」となっているため、サカはたった一人でそのうち28.6%を決めたということになる。

それでいて、チャンスメイク能力が落ち込んだというわけでもない。サカが今季記録しているドリブル成功数(28回)やキーパス数(25回)、クロス成功数(19回)はいまだにチームトップ。右サイドに回ってカットインを試みる機会はたしかに増えたが、右足の精度も高い彼はいまだにアシストマシーンとしても振る舞うことができる。これは相手にとってかなり厄介だろう。こういった数字を見ても、今のガナーズにおいて最も重要な存在はサカと言えるのではないだろうか。

「今日の試合(サウサンプトン戦)のサカも本当に素晴らしかったね。彼のスキルと成熟度はとても印象的だよ。チームの誰よりも多くのことをしている。アルテタも毎試合のようにサカの価値を感じていると思う。アーセナルは積極的に若手を起用しているが、彼らはキチンとチームを勝たせるためのクオリティを備えていると思うよ。特にサカは不可欠な存在だね。彼は少ないタッチでチームに変化をつける。とてもまだ19歳の選手とは思えない」(英『BT Sport』より)

現在のアーセナルにおけるサカの重要性については、リオ・ファーディナンド氏もこのように語っている。まだ19歳ながら、ガナーズ攻撃陣の要となった若きレフティー。はたして、サカを中心として勢いに乗るイングランドの名門は今後どこまでその順位を上昇させてくるのだろうか。前半戦にかなり出遅れてしまったアーセナルだが、未来は明るい。

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