アトレティコのレフティーが本領発揮 加入3季目でようやく見せる“真の姿”

今季はアトレティコにとって欠かせぬ存在となっているレマル photo/Getty Images

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昨季までとは全く違う存在に

ディエゴ・シメオネ監督の我慢が、今季アトレティコ・マドリードで結実している。これまで同クラブでなかなか活躍することができていなかったレフティーが、移籍3シーズン目にしてようやくその本領を発揮し始めたのだ。

そのレフティーとは、MFトマ・レマル(25)。2018夏に当時のクラブ史上最高額となる7000万ユーロ(約88億円)もの移籍金でASモナコから加わった同選手。しかし、その衝撃的な加入から2年間、この男には苦しい時間が続いていた。

時折見せるプレイからセンスの高さは感じられるのだが、どうにも結果を残せない。加入以降の2シーズンで、レマルにはそんな印象がついてしまった。昨季は公式戦29試合に出場して、ゴールとアシストはどちらも“ゼロ”。今夏には他クラブへの売却も盛んに噂されたほどで、彼を取り巻く状況は日に日に厳しいものとなっていた。
しかし、加入3シーズン目にしてようやくレマルは真価を発揮し始めた。左サイドのアタッカーや攻撃的MFのポジションを中心に、2020-21シーズンはここまでリーグ戦16試合に出場。そのなかではチームMF中トップとなるクロス数(10本)や、今季リーガ・エスパニョーラで20回以上ドリブルを成功させた選手中トップとなる成功率(87.5%:24回中21回成功)を記録している。2020-21シーズンにリーガで首位を快走するアトレティコにとって、レマルは欠かせない存在になっていると言っていいだろう。

では、どうして今季のレマルここまで印象的なパフォーマンスを残すことができているのだろうか。少し時間差でアトレティコの重要な戦力となった同選手。その答えは、本人が語った言葉の中に隠されているのかもしれない。

「これまでの僕はチームに十分順応することができていなかった。アトレティコのシステムとスタイルは少し特殊だから、適応するのには時間がかかってしまったんだ。だけど、今はその全てを理解している。そのおかげで、今はすべての物事がうまく運んでいるよ。理解することで、僕のプレイスタイルがこのサッカーに適しているとわかった。今の僕はチームに対して可能な限りの貢献を果たすことができていると思うよ。今はとても幸せだね」(仏『France Football』より)

時間はかかったものの、アトレティコのサッカーをようやく理解できたとレマル。基本的な戦術のメカニズムを理解したことに加え、今季のアトレティコがポゼッション寄りの戦術を採用していることも彼の復活に繋がったか。2020-21シーズンに評価大逆転のパフォーマンスを披露するレフティーは、アトレティコが7年ぶりのリーグ優勝を狙う上で今後も重要な選手となってくるだろう。

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