フォデンだけじゃなかった 大一番で輝いた“もう一人の20歳”

敗れたなかでも印象的なパフォーマンスを見せたジョーンズ photo/Getty Images

マンC戦に先発出場し後半23分までプレイ

現地時間2月7日に行われたプレミアリーグ第23節、リヴァプールはマンチェスター・シティに1-4で敗れた。首位相手に手痛い敗戦を喫したホームチームは試合後ユルゲン・クロップ監督が示唆したように、2年連続優勝を目指していたプレミアリーグのタイトルレースから脱落し、トップ4以内のフィニッシュが今後の現実的な目標となっていくだろう。

この一戦で最も輝いた選手はマンCのMFフィル・フォデンで間違いない。ペップ・グアルディオラの元で急成長を見せる20歳は、リヴァプールを相手に90分に渡りハイパフォーマンスを披露。後半38分に決めたチーム4点目となる左足の一撃は、試合を観戦した世界中のサッカーファンの脳裏に刻まれたはず。

一方で、敗れたリヴァプールにもこの試合で高いパフォーマンスを見せ存在感を示した20歳の若者がいる。中盤の一角として先発したMFカーティス・ジョーンズである。

18-19シーズンにトップチームデビューを飾ったジョーンズは、昨シーズンにプレミアリーグ初得点を記録。今季からは背番号17を背負いこの試合までリーグ戦15試合に出場。うち先発出場は7試合を数えるなどリヴァプールというトップチームの中で出場機会を与えられ、着実に経験を積み存在感を高めている。

そんな中、首位マンCとの一戦で今季8試合目の先発出場をはたしたジョーンズは、中盤でチアゴ・アルカンタラ、ジョルジニオ・ワイナルドゥムとトリオを形成し奮闘を見せる。前半にはあわやGKと1対1となるカウンターからのフォデンのドリブル突破を最終ラインまでカバーして食い止めると、後半には右サイドバックのトレント・アレクサンダー・アーノルドからのサイドチェンジをゴール前左で受け、ジョアン・カンセロをかわして決定的なシュートを放った。20歳とは思えない攻守に渡る落ち着き払ったパフォーマンスは、この試合のリヴァプールを支えていたと言っても過言ではない。

そんなジョーンズだったが、クロップ監督は後半23分に同じく中盤で持ち味のテクニックとアイデアを発揮していたチアゴとともに、ベンチに下げる決断を下す。その後、後半28分にイルカイ・ギュンドアンのこの日2得点目となる決勝点が生まれたのを機に、後半31分にラヒーム・スターリング、後半38分にフォデンにゴールが生まれ試合は決まってしまった。

後半からベルナウド・シウバを前線高い位置からのプレッシングに参加させ、リヴァプール守備陣のミスを引き出したグアルディオラの采配は見事だった。それに対して、リヴァプール側から見るとそれまで中盤を支えていたジョーンズの交代がもたらした影響は小さくないのではないか。それだけこの試合で見せたパフォーマンスは印象的なものだった。

マンC戦で見せたような攻守に質の高いプレイを続けていけば、この一戦を視察していたガレス・サウスゲイトの目に止まり、イングランド代表の一員に名を連ねる日も遠くないはず。大一番で輝いたリヴァプールの未来を担うであろう“もう一人の20歳”はプレミアリーグの舞台でその才能を磨き続けていく。

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