[粕谷秀樹]鉄壁CBを擁するシティのベスト8進出は濃厚だ!! リヴァプールとチェルシーは早期敗退も考えられる

粕谷秀樹のメッタ斬り 053

粕谷秀樹のメッタ斬り 053

リヴァプールも撃破し、プレミアリーグで快進撃を続けるシティ photo/Getty Images

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レッズの大黒柱は通院・加療の真っ最中

2月16日を皮切りに、チャンピオンズリーグのラウンド16がいよいよ始まる。ビッグイヤー獲得に向け、グループステージを勝ち抜いた16チームがしのぎをけずるわけだが、プレミアリーグ3チームを展望してみよう。

マンチェスター・シティはベスト8進出が濃厚だ。昨年11月21日、トッテナムに0-2の敗北を喫した後、公式戦は21戦18勝3分無敗。この間の失点は6、クリーンシートは16試合。ルベン・ディアスとジョン・ストーンズの鉄壁CBを軸とする守備力は際立っている。

ラウンド16のボルシアMG戦(1stレグ)は、脛を痛めているケビン・デ・ブライネの出場が難しい。セルヒオ・アグエロはコンディション調整に苦しんでいる。しかし、水も漏らさぬ構えのCBが健在である限り、シティの視界は良好だ。
さて、リヴァプールは守りに大きな不安を抱えている。フィルジル・ファン・ダイクとジョー・ゴメスに加え、ジョエル・マティプまでもが今シーズン絶望の重傷を負った。したがって、センターバックの選択肢はMFのファビーニョ、ジョーダン・ヘンダーソンを一列下げるか、今冬の移籍市場で獲得したオザン・カバク、ベン・デイビスを抜擢するか、万全とは言い難い。

ラウンド16で相まみえるライプツィヒを率いるのは、ユリアン・ナーゲルスマン監督だ。対戦相手の分析にかけては右に出る者がいない、とさえいわれる策士である。ファン・ダイクを起用できたとしても厄介な相手だというのに、大黒柱はまだ通院・加療の真っ最中だ。

リヴァプールの前線は十分な火力を有しているものの、今回ばかりは相手が悪い。早期敗退も考えられなくはない。

チェルシーの立て直しを任されたトゥヘル監督 photo/Getty Images

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たしかにトゥヘルは戦術家だが

新監督就任から4戦3勝1分。「早くも戦術を落とし込んだ」と、チェルシーを率いるトーマス・トゥヘル監督の評判がすこぶる良い。

しかし、新監督就任に伴う高揚感でチームの調子が上向いた例は、過去に何度も目撃してきた。トゥヘル体制で挙げた5ゴールの内、ふたつはPKだ。対戦相手も不振にあえぐウォルバーハンプトンとバーンリー、ハリー・ケイン不在のトッテナム、最下位のシェフェールド・ユナイテッドだ。喜ぶのはまだ早い。

しかも、ラウンド16の相手はアトレティコ・マドリードである。2月7日現在、ラ・リーガではひとつしか負けていない。ヤン・オブラク、サウール・ニゲス、コケ、ルイス・スアレスなど、チャンピオンズリーグのプレッシャーを熟知する主力も健在だ。

たしかにトゥヘルは戦術家であり、ゲームプランも柔軟だが、チェルシーに着任したのは1月25日だ。アトレティコのディエゴ・シメオネ監督は、今シーズンで就任10年目を迎えた。やはり、アトレティコに一日の長がある。

なお、ドイツが新型コロナウィルスの感染拡大に伴う厳格な入国制限を設けているため、ライプツィヒ対リヴァプールの1st.レグはハンガリーのブダペストで開催。ボルシアMG対シティ戦とアトレティコ対チェルシー戦の1st.レグも、他国での開催が有力視されている。各クラブに、どのような影響を及ぼすのだろうか。

文/粕谷秀樹

スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。

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