“10年ぶり”に二桁得点記録がピンチ アーセナルのエースは終盤に爆発できるか

今季は苦戦気味のオバメヤン photo/Getty Images

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上位進出にはエースの得点力が不可欠

一流ストライカーと呼ばれるには一貫性が必要で、毎シーズン安定した得点数を挙げることが一流への絶対条件となる。

この10年、その条件を守り続けてきたのがアーセナルFWピエール・エメリク・オバメヤンだ。オバメヤンはフランス、ドイツ、イングランドと3つのリーグでプレイしてきたが、常に二桁得点を記録し続けてきた。

フランスのサンテティエンヌでプレイしていた2011-12シーズンにリーグ戦16得点を記録すると、ドルトムントに移籍してからも得点ペースは継続。2015-16シーズンには25得点、続く2016-17シーズンには31得点を奪うなど、一気にワールドクラスのストライカーと評価されるようになった。
アーセナルへ移籍してからも2018-19シーズン、2019-20シーズンと続けて22得点ずつ奪うなど、どのリーグでも結果を残せるストライカーであることを証明した。大きな怪我も少なく、非常に信頼できるストライカーだ。

しかし、その二桁得点記録が今季はピンチだ。ここまでリーグ戦19試合に出場し、5得点。チーム全体が得点力不足に陥る中、オバメヤンの得点ペースも急激に落ちている。仮に二桁得点を記録できなければ、サンテティエンヌでプレイを始めた2010-11シーズン以来のことになる。

チーム全体でのチャンスメイクにも問題があり、今季のオバメヤンはリーグ戦で1試合平均シュート数が2.1本に留まっている。これは2010-11シーズン以降では最低の数字であり、ドルトムント時代には3.6本や3.8本を記録していたシーズンもあった。アーセナルにとってオバメヤンがNo.1ゴールゲッターなのは明らかで、いかに気持ちよくシュートを打ってもらえるかが得点量産へのカギだ。しかし、今季はそれ以前に彼のところまでボールを届けられないケースも少なくない。

リーグ戦の順位を見ると、現在アーセナルは11位。屈辱的な位置ではあるものの、プレミアリーグは混戦模様だ。5位チェルシーとは勝ち点差が8点しか開いていないため、まだ巻き返すことは可能なはず。

課題は得点力にあり、ここまで27得点しか奪えていない。これは南野拓実がレンタルで加入した12位サウサンプトン(29得点)よりも少ない。今後は2月21日にマンチェスター・シティ、27日にレスター・シティ、3月13日にトッテナム、20日に好調ウェストハム、4月3日にリヴァプール戦と、アーセナルは難敵とのゲームを残している。こうしたビッグゲームでこそオバメヤンの得点が求められており、個人成績の面でも何とか二桁得点に乗せてほしいところ。

果たしてオバメヤンは終盤戦でペースアップできるのか。そしてアーセナルはここから巻き返せるのか。プレミアリーグ得点王のタイトルも獲ったストライカーが復活できるかどうかが、チームの行く末を大きく左右する。

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