緊急CB起用に応えたレアルの守備職人 マルセロとの共存で広がった新たな可能性

マルセロからのアシストでゴールを決めたメンディ photo/Getty Images

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ヘタフェ戦に[3-4-3]システムの左CBで先発

現地時間2月9日に行われたリーガ・エスパニョーラ第1節(延期分)で、久保建英が所属するヘタフェ相手に2-0で勝利を収めたレアル・マドリード。この試合でジネディーヌ・ジダン監督が見せた驚きの采配が、フェルランド・メンディのセンターバック起用である。

2019年夏にリヨンから加入したメンディは持ち味の守備力を武器に、長年に渡りレアルの左サイドバックに君臨してきたマルセロから左サイドバックのポジションを奪取。また、左利きながら両足を器用に操るメンディを、ジダン監督は右サイドバックとして起用したこともあるなど、指揮官からの厚い信頼が寄せられてきた。

そんな中、ヘタフェ戦ではセルヒオ・ラモス、ダニエル・カルバハルら守備陣に故障が続出し、中盤のトニ・クロースも出場停止で欠く緊急事態で、ジダン監督は[3-4-3]のシステムを採用。左ウイングバックにマルセロ、そして左のセンターバックとしてメンディを起用することで、左サイドバックのレギュラーを争ってきた2人を左サイドで共存させたのだ。
ラファエル・ヴァラン、ナチョ・フェルナンデスと最終ラインを形成したメンディは、急造センターバックとは思えない落ち着きぶりでヘタフェ攻撃陣をシャットアウトし、後半途中出場した久保にも仕事をさせず。さらに後半21分には、マルセロからの左からのクロスに走り込みゴールを挙げるなど、攻守に渡り大活躍を見せる。

ウイングバックとして先発したマルセロも、メンディの得点をアシストしただけではなかった。中盤のボランチのような立ち位置で組み立てに参加したり、後半にはカゼミロにスルーパスを通すなど攻撃力を存分に発揮。立ち位置が一列上がることで、懸念材料だった守備が軽減され、自身の長所が押し出された形となった。残念ながらマルセロは後半41分に負傷交代し離脱することとなってしまったが、2人の長所が活かされたこの布陣は結果的に大成功だったといえるだろう。

ジダン監督が試合後語ったように、ヘタフェ戦では[3-4-3]システムが故障者続出の現状への対応策として採用された形だ。しかし、この日のメンディが見せたセンターバックとしての高いパフォーマンスと、マルセロと組む左サイドのコンビネーションは今後の新たなオプションとして可能性を感じさせるものであった。はたしてレアルの守備職人、メンディのセンターバック起用は再び見られるのだろうか。

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