絶好調シティをアーセナルが止めるには 攻守ともにカギは“カンセロのサイド”にあり
前回対戦、中盤に入ったカンセロへの対応にアーセナルは苦しんだ photo/Getty Images
前回対戦はカンセロにしてやられた
前節はリーズ相手に快勝を収めたものの、上位進出のためにはもはや1つも負けられないアーセナル。しかし今節の対戦は、怒涛の12連勝でプレミアリーグの首位を固めつつあるシティだ。24試合で15失点という守備の盤石ぶりも際立ち、どう考えても分の悪い相手であることは間違いない。
試合のカギとなりそうなポイントは2つ。1つは、シティの中盤でゲームメイクに参加するジョアン・カンセロへのアーセナルの対応。もう1つは、おそらく主導権を握られるなかで、ホームのアーセナルがどこに反撃の糸口を見出すかになる。
左右どちらのサイドバックもこなすカンセロは、シティの攻撃のキーマンだ。チームがボールを持つと中盤中央の位置へ上がり、ビルドアップを支えたり攻撃の駒としてエリア内に顔を出したりと、MFとしてのプレイを見せるのが特長。かと思えばオーソドックスなSBとして精度の高いクロスを見せたり、強烈なミドルシュートを打ち込んでくる場面もあり、その変幻自在ぶりはどのチームにとっても脅威となっている。
シティのホームで行われた前回対戦でも、アーセナルは中盤に置かれたカンセロを抑えるのに苦労している。カンセロを誰が見るのかが曖昧で、中盤のグラニト・ジャカなのか、左サイドに入っていたブカヨ・サカなのかがはっきりしなかった。またボールを保持した場面でもカンセロにサカを捕まえられるなど、攻撃、守備の両面でやられていた。アーセナルはカンセロに代表されるように、ポジションの定石にとらわれずに動くシティの選手たちをどう捕まえるのか。マークの受け渡しなどの約束事を徹底しておかなければならない。
左利きの本職SBティアニーの復帰はアーセナルにとって大きい photo/Getty Images
カンセロのサイドはアーセナルにとっても攻撃の糸口
ここのところアーセナルは、[4-2-3-1]の2列目左にエミール・スミス・ロウ、中央にマルティン・ウーデゴーという布陣で戦っている。スミス・ロウは味方がボールを持ったときのスペースの探し方や、オフザボールの動きに長所がある選手だが、ボールを持たれることが予想されるシティ戦でどこまで持ち味を発揮できるかはわからない。
そうなると、スピードやドリブルに長所があるニコラ・ぺぺを左サイドに置いておくのも手か。ぺぺは動き出しの質が改善を見せており、何度も動き直しながらボールを引き出そうとする姿が見られるはずだ。シティのポゼッション時はカンセロが本来の持ち場を離れるため、素早くカウンターにつなげられれば、このスペースを使う戦い方は有効だろう。アーセナルは長いボールを正確に出せるCBのダビド・ルイスがここ2試合は先発しており、中盤にはジャカもいる。
左サイドにはSBキーラン・ティアニーも復帰予定で、彼が高い位置に上がれば正確なクロスも武器になる。もちろんカンセロやストーンズが自分たちの右サイドを空けっぱなしにするわけはなく帰陣も早いので、この辺りはトランジションの早さと、どちらの運動量が上回るかの勝負になるだろう。
もうひとつポイントを挙げるとすれば、意外な得点源として大活躍を見せていたシティのイルカイ・ギュンドアンが怪我のため不在、代わりに大黒柱のデ・ブライネが復帰するという状況が、両チームにとってどのように働くかだろうか。前節エヴァートン戦では、3点目が決まり試合の趨勢がほぼ決定した78分から登場。視野の広さを見せつけるようなパスも披露したが、ほぼ1カ月プレイしていなかったのは不安材料だ。コンディションは未知数と見るべきで、案外アーセナルにとってはギュンドアンの方が厄介かもしれない。
アーセナル×マンチェスター・シティ(プレミアリーグ第25節)
日本時間2月22日(日)25:30キックオフ
[予想スターティングメンバー]
アーセナル
GK 1 ベルント・レノ
DF 2 エクトル・ベジェリン
DF 23 ダビド・ルイス
DF 5 ガブリエウ・マガリャンイス
DF 3 キーラン・ティアニー
MF 8 ダニ・セバージョス
MF 34 グラニト・ジャカ
MF 7 ブカヨ・サカ
MF 11 マルティン・ウーデゴー
MF 19 ニコラ・ぺぺ
FW 14 ピエール・エメリク・オバメヤン
マンチェスター・シティ
GK 31 エデルソン
DF 27 ジョアン・カンセロ
DF 5 ジョン・ストーンズ
DF 3 ルベン・ディアス
DF 11 オレクサンドル・ジンチェンコ
MF 16 ロドリ
MF 20 ベルナルド・シウバ
MF 17 ケビン・デ・ブライネ
FW 26 リヤド・マフレズ
FW 47 フィル・フォデン
FW 7 ラヒーム・スターリング