しばらくスタメン起用は回避すべきか マンUが抱える背番号9の悩み

今季なかなか結果を残すことができていないマルシャル photo/Getty Images

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前線での存在感皆無な25歳

2019-20シーズンはイングランド・プレミアリーグで驚異の17ゴールを奪ったにもかかわらず、今季は打って変わって厳しいシーズンを過ごすこととなっているマンチェスター・ユナイテッドのアタッカー。その人物とは、FWアントニー・マルシャルだ。

昨季の得点量産で一時は殻を破ったかのようにも思えたマルシャルだが、今季はここまでリーグ戦20試合に出場してわずか4ゴール。アシストを5つ記録している部分は見逃せないが、ストライカーとしての評価は下がってしまったと言っていいだろう。

なかでも問題視されているのは、前線における動きの少なさ。守備に奔走もしなければ、オフ・ザ・ボールの動きも鈍い。「どっしり構える9番タイプのFWでもないのに、どうして彼はまったく動こうとしないのか」。こんな意見は昨今SNS上のファンの間でも噴出していた。今季は純然たる9番タイプながら攻守に走り抜くエディンソン・カバーニが加入したことで、さらにマルシャルの立場が危うくなっていたことは間違いない。
現地時間21日に行われたプレミア第25節のニューカッスル戦でも、カバーニの代役CFとして出場したマルシャルの動きは鈍かった。これまでに比べればオフ・ザ・ボールの動きに気を遣っていたようにも見えたが、それはあくまで過去の彼に対する相対的な評価でしかない。9番の仕事として絶対的な評価を与えるのであれば、まったく不十分な出来であったことは間違いない。チームは3-1で勝利を収めたものの、データサイト『WhoScored.com』によるマルシャルの評価は中盤より前線で先発した選手中最低の「6.8」。他の選手はすべて7点台を記録しているなかで、唯一の6点台だった。CFとして先発した選手が、3-1の勝利を掴んだ試合で攻撃陣最低の評価を受けるのはかなり寂しいものがあると言っていいだろう。

そんな、今季一向に調子の上がらないマルシャル。カバーニを起用できない事情があったとはいえ、このパフォーマンスが続くようであればオーレ・グンナー・スールシャール 監督もしばらく彼の先発起用は見送るべきなのかもしれない。

「ニューカッスル戦で指揮官の信頼を取り戻すチャンスを得たマルシャルだが、彼はそれをフイにすることとなってしまった。ネマニャ・マティッチからのパスをコントロールできずに絶好機を逸したシーンは、この試合の彼を端的に表していた。正直に言ってしまえば、マルシャルがこのチャンスに値したかには疑問が残る。動きは鈍く、ボールを奪われた後に相手を一歩も追いかけない。他の選手たちは素晴らしい活躍を見せたが、マルシャルに同じ評価を与えることはできない。彼はユナイテッドにとってフラストレーションの源だ。現時点で先発のチャンスを与えるには値しない」

英『Daily Mail』も、前線であまりチームに貢献できないマルシャルにはこのように手厳しい評価を与えている。昨季までは確かに素晴らしい活躍を披露していた背番号9だが、今の彼は試合に出れば仲間の足を引っ張る存在となってしまったのか。優れた才能を備えていることは間違いないだけに、25歳の復活には期待したいところだが、はたして。

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