途中投入には向いていない? ドイツでも苦しむオランダの“ワンダーボーイ”

今季ライプツィヒで再起を図るも、なかなか出場機会が巡ってこないクライファート photo/Getty Images

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デ・ヨング&デ・リフトよりも早くブレイクした21歳

近年、アヤックスが生んだ若きタレントといえば、やはりバルセロナへ移籍したMFフレンキー・デ・ヨング(23)とユヴェントスへ移籍したDFマタイス・デ・リフト(21)が思い浮かぶ。この2人はオランダ代表でも主力となっており、アヤックスでは2018-19シーズンにチャンピオンズリーグでベスト4進出にも貢献。現在のサッカー界を代表するヤングスターと言えるだろう。

しかし、この2人よりも早くアヤックスから欧州4大リーグへと旅立ったヤングタレントがいたことを忘れてはいけない。現在RBライプツィヒでプレイするFWジャスティン・クライファート(21)だ。

2017-18シーズンに、当時18歳ながらエールディビジ30試合で10ゴール5アシストを記録し、ブレイクを果たしたクライファート。父親がオランダのレジェンドであるパトリック・クライファートであることも相まって、同選手は各方面から一躍サッカー界の未来を担うであろう存在として周囲から認識されるようになった。そんな2017-18シーズンの終了後、クライファートはASローマへと移籍。デ・ヨングやデ・リフトよりも一足先に4大リーグへ挑戦することとなったのだ。
しかし、現時点でこの挑戦は失敗に終わりつつある。満を持してローマへと渡ったクライファートだったが、昨季まで2シーズンにわたって在籍したなかでの成績は公式戦68試合の出場でわずか9ゴール10アシスト。もともとゴールゲッターというわけではなかったものの、加入当初の期待値とは大きくかけ離れた結果に終わってしまった。まだその将来性に期待するファンも少なくはなかったが、今季はライプツィヒへレンタル移籍。21歳のヤングタレントはドイツで再起を図ることとなった。

だが、ここでもクライファートには逆風が吹いている。チーム自体は現在ブンデスリーガで首位バイエルン・ミュンヘンと2ポイント差の2位につけているものの、そのなかでクライファートにはなかなか出番が回ってこない。移籍後、同選手がここまでに得たプレイタイムは16試合で462分。1試合平均を計算すると、わずか28.9分という短さだ。

ライプツィヒでも思うように出場機会を伸ばすことできていないクライファート。こうなってしまった理由は、その起用法にもあるのだろう。昨季のローマ、そして今季のライプツィヒでは閉塞した状況を打開するためにジョーカー的な役割を任されることも多い同選手。しかし、この仕事自体がおそらく彼には適していない。多少攻撃のリズムに変化を加えることはできるのだが、彼は短い時間で結果を残すことに秀でた選手ではない可能性が高いのだ。

参考までにひとつのデータを見てみよう。それはクライファートのゴールを決めた時間帯。実は同選手、アヤックス時代の2017-18シーズンに挙げた10得点のうち、ピッチに立ってから30分以内に奪った得点というのは1点のみなのだ。ローマ時代の2シーズンで奪った9得点の内訳を見ても、同時間帯に奪ったのはたった2点。この数字からも、クライファートがピッチに入ってすぐ結果を残すことがあまり期待できない選手というのは見て取れる。現状、1試合平均出場時間が30分に満たないなかで、彼が結果を残せていないのは当然とも言えるかもしれない。

とはいえ、こうした起用法となってしまっているのはトレーニングの段階でアピールできなかった彼自身の問題もある。クライファートが再びアヤックス時代のような輝きを放つには、一定の出場機会が確保されたクラブに活躍の場を移す必要があるか。大きな希望を抱いて4大リーグへと活躍の場を求めたヤングタレントだが、世界トップレベルの舞台で思わぬ足踏みを強いられることとなっている。

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