オーストリアで成長する渋すぎる“17歳” 北川航也同僚の天才肌MFに注目せよ

ラピード・ウィーンで活躍するデミル(左) photo/Getty Images

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マフレズを彷彿とさせるヤングタレント

現時点ではそれほど注目されている存在ではないものの、数年後にこの17歳はサッカー界でもトップクラスと称されるほどの存在となっているのだろうか。昨季ザルツブルクで大ブレイクを果たしたFWアーリング・ハーランドに続き、欧州5大リーグ外のクラブからまたも大きな才能の片鱗を見せつける若手が頭角を現してきた。

その若手とは、日本人FW北川航也も所属するラピード・ウィーンのU-21オーストリア代表MFユスフ・デミル(17)だ。今季R・ウィーンの主力として定着を果たした同選手は、とても17歳とは思えぬほど落ち着いたプレイを見せる攻撃的MF。状況を冷静に見極めて相手の急所を確実に突くドリブルは彼最大の武器であり、シンプルな緩急でスルスルと持ち上がる姿はマンチェスター・シティに所属するアルジェリア代表MFリヤド・マフレズを彷彿とさせる。

そんなデミルのもう一つの特長は、自らもゴールを奪えるという点。前述したようにドリブル突破から味方にチャンスを提供する仕事を主に担っている同選手だが、今季は公式戦22試合の出場ですでに6得点を奪っている。なかでもペナルティエリア外から相手GKの位置をよく見て放つミドルシュートは絶品で、現地時間27日に行われたリーグ戦第19節のSVリート戦でもこの形から得点を記録した。それほどシュートにスピードがあったわけではないものの、GKが一歩も動けなかったこのゴールには現地のファンも大興奮。SNS上では「魔法使いだからこそ打てるシュート」、「時間を止めている」、「33歳くらいの選手と同等の落ち着きぶり」と、絶賛の嵐が巻き起こっている。
「あのゴールを見た誰もが驚いたよ。彼はトレーニングでもあんなシュートをよく打つけど、試合で見るとよりすごいものを見たという気分になるね。彼のパフォーマンスには敬意を払わなければならない。本当に将来が楽しみだ」(独『Spox』より)

チームメイトのMFトルステン・シックも、デミルが見せる才能にはこのように賛辞を送っている。ド派手なテクニックが売りというわけではないものの、渋い技術で淡々と前線に違いをもたらすオーストリアの新鋭MF。タイプもポジションも大きく異なるが、ハーランドに続く将来的な欧州5大リーグ外からの大ブレイクに期待したい。

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