インテルの“超万能MF”は欧州トップクラスの実力 バレッラが欧州席巻する日も近い?

インテルで抜群の存在感を放つバレッラ photo/Getty Images

公私ともに充実したシーズンを送る

インテルのイタリア代表MFニコロ・バレッラの将来が楽しみで仕方がない。イタリアを飛び越え、欧州を席巻する日も近いかもしれない。

イタリア代表の各年代で活躍するなど、幼いころから将来を嘱望されてきたバレッラ。カリアリで育ち、2016-17シーズンごろからコンスタントに結果を残すようになると、2019年夏に名門インテルへ加入した。同期には、同じくイタリアの将来を担うと期待される2つ年上のMFステファノ・センシがいたため、同選手と比較されることも多い。今やインテルで必要不可欠な選手となっているバレッラだが、センシが昨季開幕6戦で3ゴール4アシストの大活躍を見せたこともあり、加入当初は後者の方が脚光を浴びていたと言っても過言ではないだろう。

しかし、センシはインテル加入以降たび重なる怪我に悩まされており、約1年半で公式戦32試合の出場にとどまっている。そんなライバルを横目に、着実に力をつけてきたのがバレッラだ。2年目となる今季はここまで公式戦34試合に出場して3ゴール10アシストの大活躍。セリエAでは、首位を走るチームの躍進に大きく貢献している。ロメル・ルカクやラウタロ・マルティネス、アクラフ・ハキミなど、今季のインテルにとってキーとなるピースはたくさんあるが、最も重要なピースはバレッラに違いない。

特筆すべきは、あらゆる能力においてのそのレベルの高さ。運動量が豊富で、テクニックも抜群だ。スピードに乗ったドリブルを駆使し、個の力で相手の守備陣を切り開くことも。バイタルエリアで相手の脅威となるなどポジショニングも素晴らしく、前線からの積極的なチェイスは守備陣をも助け、バレッラは攻守両面において貴重な存在となっている。

また、主に[3-5-2]のインサイドハーフを任されることが多いが、MFマルセロ・ブロゾビッチ不在時にはアンカーを務めることもあり、ビルドアップなど攻撃の組み立てもそつなくこなせる。近代サッカーのMFというポジションで求められている能力を、すべて兼ね備えていると言っても過言ではないだろう。欠点といえば、172センチという少々小柄な体格ぐらいか。いや、ドリブルで仕掛ける際に相手の間をスルスルと抜けたり、激しいタックルを軽やかにかわしたりする姿は至極流麗で、バレッラはそんな身体の小ささすらも最大限に活かして己の武器にしている。

これまで多くのスターたちを育ててきた名将ファビオ・カペッロ氏も、このインテルの“超万能MF”について伊『sky sport』のインタビューで「バレッラは間違いなく欧州サッカー界でMFのトップ3のひとりだ。疑いの余地はない彼は素晴らしいビジョンに加えて、走れるしクオリティも備えている。ボールを回収する際にも非常に効果的となっている」と絶賛している。こういった活躍もあり、リヴァプールやトッテナムなど多くのビッグクラブが関心を寄せるのも妥当だろう。

さらに、バレッラはピッチ外でも順調。まだ24歳と若いが、今年1月には3人目の子供が生まれ、公私ともに充実したシーズンを送っている。インテルの次期キャプテンとも噂される同選手の今後から目が離せないが、さらなる進化を遂げるためにも、まずはインテルを11年ぶりの王座へと導きたいところだ。

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