S・ラモスとのコンビなら通用する? 若きレアルDFの評価大逆転はあるか

加入初年度となった昨季からなかなかレアルで出場機会を掴むことができていないミリトン photo/Getty Images

苦悩の時間に終止符を打つべし

2019年夏、ポルトガルから満を持してレアル・マドリードにやってきた若き守備者だが、この男は加入から1年半が経過した今でも白い巨人の戦力となりきることができていない。ポルトから5000万ユーロ(約59億円)もの移籍金で加入したDFエデル・ミリトン(23)のことだ。

獲得当初は未来のレアル守備陣を引っ張る存在となることを期待されていたミリトン。しかし、この男は次第に頭角を現すどころか、今でもほとんど試合に出場することができていない。加入から1年半で彼が出場した公式戦はわずか26試合。ピッチに立っても低調なパフォーマンスに終始することも多々あり、現時点でファンの信頼を掴めているとは言い難い状況だ。

そんなミリトンは、今季に入ってから離脱も増えた。新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したり、内転筋に違和感を覚えたことで、ここまで計69日間も戦線を離れることとなっている。大きな期待を背にマドリードへやって来た男だが、今ではその立場も崖っぷちと言っていいだろう。数少ないチャンスとなったリーグ戦第21節のレバンテ戦でも、開始わずか9分にレッドカードを受けて退場すること。このままでは、今季終了後の放出も現実味を帯びてくることだろう。

しかし、そんな苦境に立たされるミリトンにも評価大逆転のチャンスは残されているかもしれない。これまではセルヒオ・ラモス不在時に、ラファエル・ヴァランの相方として起用されることも多かった同選手。どちらもリーダーシップに優れているとは言えないだけに、統率の取れていない状況でプレイを強いられることも少なくはなかった。これまでの不調は彼個人の責任だけでなく、単にヴァランとの相性が悪かっただけという可能性も考えることはできるだろう。

実際にデータも見てみよう。ミリトンがレアル加入以降にヴァランとCBコンビを組んだ試合で喫した90分あたりの平均失点数は1.25点(864分/12失点)。対して、S・ラモスと組んだ際の平均失点数は1.03点(699分/8失点)となっている。決定的な差とまでは言えないが、コンビを組む相手によって多少の開きがあるのは事実。統率力に優れたS・ラモスとコンビを組むことさえできれば、若いミリトンが今後その評価を覆していく可能性もゼロではないだろう。

スペイン『MARCA』によると、これまで怪我で離脱中だったミリトンとS・ラモスは同時に全体トレーニングへ復帰した模様。不動のディフェンスリーダーと同時期に戦線へ復帰できることは、この若き守備者にとってもプラスに働くこととなるはず。主将不在の間にヴァランとの連携面で不安要素を露呈してしまったミリトンだが、今後はS・ラモスともコンビを組む機会が増えることでその評価を再浮上させることができるか。若き守備者の大逆襲劇を、多くのファンが待ちわびている。

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