ペップ・シティを飲み込んだマンUのハイプレス 緻密な守備のなかで気を吐いたのは

右サイドハーフで起用されたD・ジェイムズ。ジンチェンコへのプレスと、懸命な帰陣でマンUの守備を支えていた photo/Getty Images 

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マンCのビルドアップを封殺

プレミアリーグの第27節が現地時間7日に行われ、マンチェスター・ユナイテッドがマンチェスター・シティに2-0で勝利した。

公式戦通算185回目となるマンチェスター・ダービーで、マンCを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督は[4-3-3]という基本布陣を採用。GKはエデルソン、最終ラインは右からジョアン・カンセロ、ジョン・ストーンズ、ルベン・ディアス、オレクサンドル・ジンチェンコ。中盤はアンカーにロドリ、インサイドMFにケビン・デ・ブライネとイルカイ・ギュンドアンが配置され、3トップは右からリヤド・マフレズ、ガブリエウ・ジェズス、ラヒーム・スターリングという並びになった。

一方、敵地エティハド・スタジアムに乗り込んだマンUのオーレ・グンナー・スールシャール監督は、[4-2-3-1]という布陣でマンCに対抗。GKには第一子誕生により戦列を離れたダビド・デ・ヘアに代わり、ディーン・ヘンダーソンが先発。最終ラインは右からアーロン・ワン・ビサカ、ヴィクトル・リンデロフ、ハリー・マグワイア、ルーク・ショー。中盤はスコット・マクトミネイとフレッジの2ボランチに、ダニエル・ジェイムズ(右)とマーカス・ラッシュフォード(左)の両サイドハーフ。トップ下にはブルーノ・フェルナンデス、最前線にはアントニー・マルシャルが起用された。
マンUはキックオフ直後からハイプレスを敢行。試合開始から僅か25秒後、自陣でのポストプレイを試みたジェズスにマグワイアとフレッジが寄せ、ボールを奪取。このプレイからマンUの攻めが始まると、敵陣ペナルティエリアに侵入したマルシャルがジェズスに倒され、PKを獲得した。

このPKをフェルナンデスが物にし、マンUが先制に成功。同クラブはその後もハイプレスの手を緩めず、幾度となくマンCのビルドアップを阻んだ。

ハイプレスをかけるうえで重要な役割を担ったのが、マルシャル、ジェイムズ、ラッシュフォード、フェルナンデスの4人。マイボール時にカンセロが中盤や敵陣深くまで上がり、右からストーンズ、ディアス、ジンチェンコの3バックに変形したマンCに対し、マンUはマンマーク主体の守備で応戦。ディアスにはマルシャル、ロドリにはフェルナンデスがマークに付いてマンCの自陣後方からのパスをサイドへ誘導したほか、ジェイムズがジンチェンコを、ラッシュフォードがストーンズを監視したことで、マンCの最終ラインに余裕を与えなかった。

デ・ブライネとギュンドアンに対しては、基本的にマンUの2ボランチがマークに付く形で対応。また、ワン・ビサカとショーの両サイドバックが相手ボール時に高い位置をとり、ボールホルダーに激しく寄せたため、マンCはサイドでも窮屈なボールキープを強いられた。

守備面における献身性が特に光っていたのが、右サイドハーフで起用されたジェイムズ。対面のジンチェンコにプレスをかけ続けたのみならず、ボールがミドルゾーンに到達した際には懸命にプレスバックし、マクトミネイやワン・ビサカをサポート。ジェイムズの絶え間ない上下動により、マンCの左サイドは封鎖された。

この試合でジェイムズが叩き出したアタッキングサードにおけるプレス回数は、自軍の選手中最多の6回。また、ミドルゾーンにおいても自軍の選手中2番目に多い、14回のプレスを記録している(データサイト『FBref.com』より)。このスタッツからも、彼の守備面における貢献度の高さが窺えるだろう。

後半もマンUの守備は乱れず、同5分にはGKヘンダーソンのハンドフィードによるパスを受けたショーが敵陣まで駆け上がり、追加点をゲット。チーム全体の運動量が落ちた試合終盤には、フェルナンデスとマルシャルを2トップに置いた[4-4-2]の布陣で自陣バイタルエリアのスペースを消す守備へと移行し、マンCのパスワークを停滞させた。

今季のプレミアリーグで首位をひた走るマンCの攻撃を、緻密な守備で封じてみせたマンU。現地時間11日に行われるミランとのUEFAヨーロッパリーグ・ラウンド16(1stレグ)においても、獰猛なプレッシングで試合の主導権を握れるかに注目したいところだ。

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