名古屋の開幕3連勝は“最強守護神”あってこそ 躍進支えるランゲラック

ランゲラックは昨季リーグ最多のクリーンシート17回を達成(写真は昨年の鹿島戦)photo/Getty Images

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昨季はリーグトップの17試合で無失点

マッシモ・フィッカデンティ率いるチームの堅守は今年も健在だ。名古屋グランパスは、10日に行われた明治安田生命J1リーグ第3節で柏レイソル相手に1-0で勝利を収め、開幕3連勝を飾った。

2試合連続の“ウノゼロ”で勝利を収めた名古屋。柏相手に後半は押し込まれ苦しい時間も続いたが、後半13分に生まれた稲垣祥のゴールを守りきり逃げ切った。そんな名古屋の堅守を最後尾から支えているのが、守護神のランゲラックである。

2018年にスペインのレバンテから加わったランゲラックは、香川真司とも共闘したドルトムント在籍時の2014年に、ワールドカップのオーストラリア代表にも選出された実績を持つ32歳。昨季はベストイレブンこそ川崎フロンターレのチョン・ソンリョンに譲ったが、リーグトップとなる17回のクリーンシートを記録した。
迎えた今シーズンも開幕から名古屋の守護神としての役割を堅実にこなしている。失点は開幕のアビスパ福岡戦のオウンゴールのみで、第2節の北海道コンサドーレ札幌戦に続いて、柏戦でもファインセーブで失点を許さず。190cmを超える身長を生かした広範囲の守備力で存在感を放った。

丸山祐市、中谷進之介で組むセンターバックと米本拓司、稲垣が基本のボランチからなるセンターラインの堅さは、昨季から続く名古屋の最大の武器である。それに加えて柏戦では、今季セレッソ大阪から加入した途中出場の木本恭生を最終ラインに加える布陣で逃げ切りに成功した。その堅い守備陣を後ろでランゲラックが支える形は、Jリーグのどのチームでも破るのはなかなか難しいのではないか。

大型補強を敢行し、昨季の王者川崎フロンターレにも匹敵する層の厚いスカッドを手に入れた今季の名古屋だが、前線はまだ試行錯誤が続いている段階。この日も初めて柿谷曜一朗をトップに、トップ下に阿部浩之を起用する布陣が試された。タレントを揃える攻撃陣の爆発を待ちつつも、昨季と同様守備陣にかかる期待は大きい。

そんな名古屋の中で、守護神であるランゲラックが昨季と同様、またそれ以上のパフォーマンスを見せることができれば、3位に躍進した去年以上の順位も期待できる。開幕3試合で披露したオーストラリア代表GKのパフォーマンスはそれだけ印象深いものだったのではないだろうか。

開幕3連勝に大きく貢献し存在感を放つランゲラック。2021年も最後尾からチームを支える“最強守護神”の出来が、さらなる躍進を狙う今年の名古屋のカギを握るかもしれない。

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