[MIXゾーン]40m超弾は「流し込むだけだった」 ダミアンと谷口には何が見えていたのか

今季早くも5ゴールと、ゴールを量産するレアンドロ・ダミアン photo/Getty Images

ずっと継続して狙ってやってきたこと

川崎フロンターレは17日、明治安田生命J1リーグ第5節でヴィッセル神戸とアウェイで対戦。72分に先制したが、後半アディショナルタイムに同点ゴールを許し、1-1のドローで試合終了のホイッスルを迎えている。この結果、開幕戦からの無敗記録は「6」に伸ばしたものの、連勝記録は「5」でストップしている。

惜しくも開幕6連勝を逃してしまったフロンターレだが、元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンが決めた先制点は、今季トップクラスのスーパーゴールだった。相手GK前川黛也のクリアボールを拾ったDF谷口彰悟が、ダイレクトで最前線に張っていたダミアンへ素早くライナーのボールをつける。ダミアンはセンターサークル付近でその浮き球のボールを右足でトラップすると、地面にボールを落とさず、流れるように振り向きざまの右足ボレーシュートへ持ち込み、40m超の長距離弾を決めて見せたのだ。

しっかりと相手GKの位置を把握し、冷静にゴールを決めたダミアンもさすがだが、谷口の素晴らしい判断と正確なパスも光った素晴らしいゴール。このシーンで、ダミアンと谷口の2人にはどんなビジョンが見えていたのか。試合後にこのスーパーゴールを振り返ってくれた。

「常日ごろからゲームの中では、GKのポジショニングというものを意識して見るようにしています。あの時はショウゴもインテリジェンスを活かしてくれて、自分の足元にしっかりとボールを出してくれました。あとは自分がそのボールをゴールに流し込むだけでした(レアンドロ・ダミアン)」

「GKからのロングボールでしたけど……。ああいう下げたボールに対して、しっかりラインを押し上げて、蹴らせたボールをマイボールにする、もしくは素早くゴールへつなげるというのは、ずっと継続して狙ってやってきたことです。あそこはもうダミアンがフリーのは見えていましたし、あとはしっかりダイレクトでぶつけてあげることだけを考えて蹴りました。それをうまくダミアンが止めて、GKを見ていて、しっかりスーパーなゴールを決めてくれたので、あれは素晴らしかったなと思います(谷口彰悟)」

谷口のクリアボールが偶然ダミアンの元へ届き、あのスーパーゴールへとつながったのではなく、これはフロンターレが継続して狙ってきた形で、取るべくして取ったゴールだった。ただ、このリードを守りきれなかったことで、ダミアンは「たくさんのゴールチャンスを作る中で1点は取れましたけど、追加点が取れませんでした。これが今日の(ドローの)原因」と、谷口も「時間も考えながら最後のしのぐ時間帯で、(しのぎ切ることは)僕ら後ろの選手の仕事ですし、失点ゼロでシャットアウトすることを遂行できなかったのは非常に悔しい」と明かしており、やはりスーパーゴールの嬉しさよりも悔しさの方が勝っているようであった。この悔しさを週末に行われる次節浦和レッズ戦(アウェイ)へ是非とも活かしたいところだ。

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