チェルシーは若き逸材MFをどう扱う 優秀でも出場数伸びぬ“19歳”

チェルシーでプレイタイムがなかなか伸びないギルモア photo/Getty Images

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ライバルの壁が高すぎる

今季途中から指揮官に就任したトーマス・トゥヘル監督のチェルシーにおいて、重要な役割を担う中盤の選手たち。ボールを巧みに散らして試合を作るジョルジーニョ、中盤から持ち上がって前線にボールを供給するマテオ・コバチッチ、言わずと知れたワールドクラスの守備職人であるエンゴロ・カンテ。非常にバランスの良い3人衆は、現在の“新生チェルシー”にとって間違いなく大きな存在だ。

しかし、その一方ではこの3人衆の壁が高すぎるあまりに、才能がありながらもなかなか出場機会を掴めていない若手がいる。スコットランド代表MFビリー・ギルモア(19)だ。現地時間21日に行われたFAカップ準々決勝のシェフィールド・ユナイテッド戦にこそスタメン出場を果たしたが、今季はここまでトゥヘル監督の下でリーグ戦には未出場。新監督体制ではなかなかチャンスが巡ってこない状況だ。

才能はある。試合に出ればそれなりのパフォーマンスを披露する。しかし、今のギルモアが前述した3人を押しのけるほどの選手かと言われれば、そうではないのだろう。トゥヘル監督も、現状における彼の扱いに関してはかなり苦労を強いられている様子だ。
「ビリーは良い選手だけど、現時点では3つの大きな問題がある。その問題とは、エンゴロ・カンテ、マテオ・コバチッチ、ジョルジーニョの3人だ。彼らはここまで、怪我をすることなく素晴らしいパフォーマンスを披露してくれている。そのレベルは、他の選手と競争をさせる必要がないほど高いんだ。ビリーにとってはこれが唯一の問題になっている。決して彼に落ち度があるわけではないよ。彼のことは信頼しているし、態度に問題もない」(英『Daily Mail』より)

ジョルジーニョ、コバチッチ、カンテがこなす役割を全て一定レベルではこなせるものの、その能力のどれもが3人衆にはあと一歩及ばないと言えるギルモア。優秀な控えとしては機能するのだろうが、若く伸び代のある選手にその役割を任せるのはどうなのか。おそらく、トゥヘル監督にもそういった葛藤があるのだろう。

決して監督に信頼されていないわけではないが、チェルシーでどう扱うべきか難しい立ち場にあるギルモア。はたして、トゥヘル監督はこの優秀な19歳をこれからどのように育てていくこととなるのだろうか。チームに所属している選手をバランスよく使いながらここまで無敗をキープしているものの、チェルシーの指揮官は少し頭を悩ませることとなっている。

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