新世代が台頭のオランダ代表 タレント力武器に再び輝けるか

攻守にタレントが揃ったオランダ代表 photo/Getty Images

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EURO2016、ロシアW杯では予選敗退

ワールドカップでは3度の準優勝を誇り、EUROでは1988年の西ドイツ大会で優勝をはたすなど世界のサッカーを牽引してきたオランダ代表。しかし近年は、EURO2016や2018年のロシアW杯で予選敗退するなどその強さに陰りがみられていた。

その一因とされたのがワールドクラスのタレントの不在。EUROを制した1988年のチームにはにはマルコ・ファン・バステン、ルート・フリット、フランク・ライカールトからなるオランダトリオが君臨した。ワールドカップで準優勝に輝いた2010年のチームにも、ロビン・ファン・ペルシーやウェズレイ・スナイデル、アリエン・ロッベンらがおり、彼らの個の能力を全面に押し出した攻撃的なサッカーで世界のサッカーファンを魅了した。

ところが、彼らが年齢を重ねチームの勢いは停滞し、EUROとワールドカップの出場を逃す事態に。これまでオランダ代表を支えてきたファン・ペルシーやスナイデル、ロッベンらに代わる新たなタレントの出現が待たれていた。
しかし、ここに来てオランダ代表には新世代のタレントが現れつつある。攻撃でエースの役割を担うのがメンフィス・デパイ。PSVからステップアップしたマンチェスター・ユナイテッドでは結果を残せなかったが、リヨンでは2017-18シーズンに19ゴールを挙げるなど復活をはたし、オレンジ軍団の攻撃を支える存在となりつつある。

また、中盤ではジョルジニオ・ワイナルドゥムとフレンキー・デ・ヨングの存在も欠かせない。前者はリヴァプール、後者はバルセロナというメガクラブで不動のレギュラーとしてチームを支えている。ワイナルドゥムにはバルセロナ加入が噂されており、移籍が実現すればオランダ代表同士の共演がクラブでも見られることとなる。

近年のオランダ代表には守備にも世界クラスのタレントが台頭してきた。まずはフィルジル・ファン・ダイク。2017年に移籍したリヴァプールで名声を高め、今や世界最高のセンターバックと呼べる存在に成長。今季は怪我により長期離脱しておりクラブにとっても代表にとっても復帰が待たれる選手である。

セリエAで評価を高めたのがステファン・デ・フライとマタイス・デ・リフトのふたり。インテルの最終ラインに君臨するデ・フライは2009-10シーズン以来となるチームのリーグタイトル獲得に挑んでいる。また2019年にアヤックスからユヴェントスにステップアップをはたしたデ・リフトはまだ21歳。ファン・ダイクに次ぐ新たなDFリーダーとして期待がかかる。

攻守にワールドクラスのタレントが育ってきたオランダ代表だが、今年夏には延期されたEURO2020に2大会ぶりとなる出場が決まっており、カタールワールドカップを狙う欧州予選も始まっている。はたして、オレンジ軍団は復活をはたし世界の舞台で躍動できるのか。

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