とても“17歳”とは思えぬ落ち着きぶり また5大リーグ外に現れた新たな怪物候補

ラピード・ウィーンで頭角を現しているデミル(左) photo/Getty Images

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ハーランドに続けるか

現時点ではそれほど注目されている存在ではないものの、数年後にこの17歳はサッカー界でもトップクラスと称されるほどの存在となっているのだろうか。昨季ザルツブルクで大ブレイクを果たしたFWアーリング・ハーランドに続いて、欧州5大リーグ以外のクラブからまたも若きビッグタレント候補が頭角を現してきた。

その選手とは、日本人FW北川航也も所属するラピード・ウィーンのオーストリア代表MFユスフ・デミル(17)だ。攻撃的MFを主戦場とする彼は、まだ若いながらもピッチ上ではまるでベテラン選手のような振る舞いを見せると現地では話題となっている。それが如実に表れるのは、最大の特長であるドリブル。若いドリブラーといえば派手な足技やスピードで相手を出し抜く選手が多い印象もあるが、デミルのドリブルは“物静か”という表現がピッタリか。とくべつスピードがあるわけではないものの、彼はシンプルな緩急だけで次々と迫り来る相手をいなしてしまう。

加えて、ゴール前におけるセンスも抜群だ。まだアシスト自体は「1」しか記録していないものの、彼のアタッキングサードで繰り出すパスにはどれも意図を感じることができる。「ピッチを上空から見渡しているような〜」とはよく言うが、彼のプレイに関してはまさにそんな表現がしっくりくるだろう。今季リーグ戦第19節のSVリート戦では、飛び出したGKのポジションをよく見て鮮やかなループシュートでの得点も記録。視野の広さとそれで得た情報を使いこなす技術は、もはや17歳のそれではない。
「デミルの育成に関しては少しだけ注意しなければと思っているけれど、本当に惚れ惚れする才能だね。伸びしろは抜群だと思うよ。ただ、メッシと比較するのはまだ時期尚早かな。彼はあくまでもユスフ・デミルなんだ。才能だけでトップの選手となることはできない。ワールドクラスになるためには、日々の鍛錬も重要だ。とはいえ、それさえしっかりこなせれば、彼はとんでもないレベルに到達すると思うよ。創造性に溢れ、1対1の場面でも非常に強い。対峙する相手がかわいそうなほどだよ」(独『Spox』より)

今回のインターナショナルマッチウィークでデミルをオーストリア代表に初招集したフランコ・フォーダ監督も、この17歳の才能にはすでにメロメロとなっている様子。慎重に育成は行わなければならないものの、順調に成長できれば世界トップクラスのタレントにもなれるのではとの見解を示している。

オーストリアで順調に成長する17歳の新たな怪物候補。はたして、デミルは今後のキャリアでどこまで高みに上り詰めることができるのか。現時点でこそまだ“NEXTブレイク候補”の域を出ない同選手だが、その将来には大きな期待がかかる。

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