今こそミュラーが必要では あと一歩が決めきれないドイツ代表

ミュラーはドイツ代表に多大な貢献をしてきた選手 photo/Getty Images

ボール保持率70%も枠内シュート2本に終わる

FIFAワールドカップ・カタール大会に向けた欧州予選が行われ、ドイツ代表は31日に北マケドニア代表と対戦。ここまでの2戦でアイスランド、ルーマニアと対戦して白星を挙げており、順調なスタートを切ったと思われたドイツ代表。FIFAランキング65位の(ドイツ代表は13位)北マケドニアに対し、連勝の勢いそのままに試合に臨んだが、蓋を開けてみれば1-2の敗戦となってしまった。

70%の支配率を記録したこの試合。数字の通り、ドイツがボールを持って押し込む展開に。攻撃では左右で高い位置を取った左ロビン・ゴセンスと右レロイ・サネがディフェンスラインの背後を突き、そこからの折り返しでゴールを奪う、そういった狙いがこの試合では見られた。実際、左のゴセンスの抜け出しからいいクロスが入るも、決めきれないシーンが散見されており、ボックス内での決定力の低さを露呈してしまった。

とはいえ、引かれた相手に対して崩し切れていないわけではなく、前半でのセルジュ・ニャブリのようにビッグチャンスは何度も訪れており、「決めていれば」に尽きる試合であったことには間違いない。その後も、アミン・ユネスやティモ・ヴェルナーといった攻撃の駒となる選手を入れるが、現状打破とはならず、黒星となってしまった。

「我々はすべてを見直すつもりだが、一試合の結果だけですべてを決めることは出来ない。メンバーについては5月に決めるよ」

この敗戦から招集メンバーを考え直すと、代表監督を務めるヨアヒム・レーヴが独『SPORT1』にコメントを残している。更に招集外となっているトーマス・ミュラーやマッツ・フンメルスについても可能性はあるとしており、特に攻撃面でミュラーへの期待は高まることとなりそうだ。

ミュラーに関しては、レオン・ゴレツカやヨシュア・キミッヒといったクラブでともにプレイする選手が選抜されているため、連携面での不安は少ないはずだ。攻守における彼の貢献度は高く、攻撃においてはストライカー、トップ下と両方でプレイ可能。所属クラブでは前線でのチャンスメイクやフリーランといった攻撃をサポートする役割に回り、今季ここまで15アシストと結果を出している。

代表でもトップ下に入るのは悪くないが、絶対的なストライカーがいないのであれば、彼がその位置でプレイするのも悪くないだろう。ボックス内で決定力のある選手が欠けている現状、ミュラーの存在は大きいはずだ。守備に関しても、プレスを怠らず、献身的に繰り返すことができるため、チームの輪が乱れるとは考えにくい。このことからミュラーの招集は理にかなっていると言え、攻撃に手詰まりを見せるドイツ代表の救世主になりえる存在であるだろう。

6月にはデンマーク、ラトビアとのEURO2020前となる最後の実戦を控えており、そこで復帰となれば2018年以来の復帰となるミュラー。本大会では、前回大会で敗北を喫したフランスと同グループとなっており、そこでの彼の活躍にも期待したい。

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