[MIXゾーン]三笘薫、アルゼンチン戦の苦汁が成長を加速させる 大分戦にかけた想い
大分戦で2ゴールを挙げ、チームに勝利をもたらした三笘 photo/Getty Images
再開初戦の大分戦で圧巻の2ゴール
川崎フロンターレは3日、明治安田生命J1リーグ第7節で大分トリニータをホームへ迎え入れた。
この一戦で奮起したのは、先の代表ウィークでU-24日本代表にも選ばれていたFW三笘薫だ。39分にFKのこぼれ球を豪快にゴールへ叩き込んで貴重な先制点をもたらすと、66分にはレアンドロ・ダミアンとの積極的なチェイスから高い位置でボールを奪い、そのまま落ち着いてゴールへ流し込んだ。三笘の2ゴールの活躍もあり、川崎は2-0で大分を撃破。開幕戦からの無敗記録を「8」に伸ばし、暫定ではあるものの首位をきっちりキープしている。
やはりなかなか自分の持ち味を発揮することができなかったU-24アルゼンチン代表との一戦が相当悔しかったのか、三笘のリーグ戦再開初戦となるこの試合へかける思いは一入だった。そして、試合前に「U-24日本代表でアルゼンチンを相手にできたこと、できないことを整理できたので、今後に生かしていきたい。代表とフロンターレではやるサッカーが違う。頭を切り替えてやることが大事(川崎フロンターレ公式サイトより)」と述べていたとおり、三笘はしっかりと切り替え、アルゼンチン戦の反省を生かして目に見える結果を残して見せたのだ。ゴール後のガッツポーズを見ても大分戦への熱い想いを垣間見ることができたが、三笘がそんな想いや何を考えてプレイしていたのかを試合後に明かしてくれた。
ーーアルゼンチン戦を経て、再開初戦への想いは?
他の選手はできていた中で、アルゼンチンを相手になかなか自分のプレイをできず、悔しい思いはありました。相手は違いますけど、そこは(今日の)ピッチ上で、Jリーグで結果を出すしかないなと思ってやっていました
ーーいつもに比べると球離れが早かったように見えたが、何か意識していたのか
そういうわけではないですね。良いときというのは周りが見えていることが多いので、そういたっところでそういうふうに見えたのかもしれません。結果を出さないとというところで、自分の中でそういうふうになってしまえば、アルゼンチン戦のようにボールを持って仕掛ける回数が増える傾向はあるので、(仕掛けるのと周囲を生かすのを)うまく使い分けないといけないなと思っています。今日もうまく使えていたところはありましたけど、1対1を仕掛けた回数は多くはありませんでした。良いところと悪いところがあるので、うまく使い分けながらやっていきたいなと思っています
ーー今日の試合ではドルブルを仕掛けた際にほとんど奪われていなかった。Jリーグとアルゼンチン戦の感覚の違いなのか、それともアルゼンチン戦を踏まえて修正したのか
チームメイトとの距離感というのは、アルゼンチン戦とフロンターレでは全く別なので、そういった面ではうまく選択肢がある中で仕掛けられているのは大きいです。コンディションも今日とアルゼンチン戦では違うところがありました。一概にはいえないですけど、そういったところの差もあると思います。アルゼンチン相手とJリーグ相手では、足の出るスピードだったり、距離感だったりも違うので、そこのやりやすさは少し感じました
ーー代表と比べて、改めてフロンターレで感じるやりやすさの部分とは?
(フロンターレは)ボールを持つチームなので相手の陣内へ押し込んで、良い立ち位置からボールが回ってきて、ゴールに近い位置やペナルティエリア付近で仕掛けられるというのは大きな違いです。前線からの守備だったり、フォーメーションの違いもありますし、そこでなるべく高い位置でボールを受けることだったり、奪ってすぐにゴールへ行けるという違いも感じました
また、そんな三笘を鬼木達監督も高く評価。次のように話していた。
「チームのところもあるでしょうけど……。気負い過ぎずにと言いますか、自分で行くところと、人を使うことによってもう一回自分にチャンスが回ってくるという話もしました。やはり彼の良いところは自分でも行けるところと、(相手を)引きつけた中で味方を支えるところ。そうやっていくところで、目線がやっぱり変わって、どんどんチャンスになる。そういう意味でいうと、しっかり良いプレイをしてくれたと思いますし、守備のところでもああいう形で得点できる。彼のスピードの良い活かし方をしたのではないかと思います」
大分戦で早くも違いを見せつけたように、先のアルゼンチン戦の苦い経験は三笘の成長をさらに加速させるに違いない。代表活動でのプレイも含めて、今後の活躍にも注目だ。