格下相手に守備崩壊のチェルシー CL準々決勝を前に露呈した不安

カラム・ロビンソンにゴールを決められるメンディ photo/Getty Images

降格圏に位置する相手に大敗

プレミアリーグ第30節は現地時間4月3日にチェルシー対ウェストブロムウィッチ・アルビオンの試合が行われ、ホームチームが2-5で敗戦を喫した。

チェルシーは1月25日に成績不振でフランク・ランパードを電撃解任。新たな指揮官としてトーマス・トゥヘルを招聘して以来公式戦で10勝4分けと無敗を維持。ドイツ人指揮官のもとで守備面に改善が見られ、ここまで複数失点がなしと抜群の安定感を誇ってきた。

そんな中で迎えた相手は19位と降格圏に位置するWBA。代表ウィーク明けで選手たちの疲労も心配されミッドウィークにはチャンピオンズリーグ準々決勝のポルト戦も控えるなか、トゥヘルの頭の中には順当に勝ち点3をつかみつつ、あわよくば主力を休ませるというプランもあったはず。

しかし、先制点を奪った直後にチアゴ・シウバが退場したことで状況が一変。最終ラインの要を失ったチェルシーは前半終了間際にWBAに立て続けにゴールを許し、トゥヘル政権下で初となる複数失点を前半だけで喫してしまう。

後半になりチェルシーはメイソン・マウントやカイ・ハフェルツらベンチに置いていた攻撃のタレントを投入し状況の打開を図る。しかし、一度狂った歯車を戻すことはできず後半さらに3失点。安定感を誇ってきた守備陣が崩壊する形となってしまった。

7日に行われるポルトとのCL準々決勝に向けて順当に勝利をつかみ弾みをつけたかったチェルシーだがそのもくろみは崩れた。さらに、混戦を極めるプレミアリーグのCL出場権争いでも安泰とはいえなくなってきた。

チアゴ・シウバの退場というアクシデントがあったとはいえ、WBA戦の大敗は監督交代で好循環をうんでいたチェルシーの風向きが変わりかねない出来事といえる。トゥヘルがカップ戦やプレミアリーグでの戦いでその流れを食い止められるかは気になるところだろう。

戦前の予想ではチェルシーの優位と見られていたCL準々決勝だが、ユヴェントスを下しベスト8に駒を進めてきたポルトは決して侮れる相手ではない。トゥヘル率いるチームが再び足元をすくわれないためには守備陣の立て直しが求められる。

トゥヘルの監督で就任で安定感を取り戻していたチェルシーだが、格下相手にまさかの不覚をとる形となった。衝撃の大敗から立て直しを図れるのか、ドイツ人指揮官の手腕が試されるところだ。

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