やはりエヴァートンの命運握るはハメスしかいない 守備意識は改善されるのか

クリスタル・パレス戦で得点を決めたハメス photo/Getty Images

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攻撃面では高いパフォーマンスを発揮している

今季のエヴァートンは開幕から4連勝を飾って素晴らしいスタートダッシュを切ったが、直近4試合で白星がなく苦しい状況となっている。そんな中で低調なチームを救うかのように、5日に行われたクリスタル・パレス戦で2月以来となる戦列復帰を果たしたのが、ハメス・ロドリゲスだ。

チームが採用する[3-4-1-2]のトップ下で先発出場を果たしたコロンビア代表MF。チームの攻撃を活性化させるべく、左右にボールを振り分けて好機を演出。彼の左足から放たれる高精度のキックは幾度となくチャンスを創出していた。先制点となる右足のシュートも逆足とは思えないほどの精度を誇っており、さすがの一言。エヴァートンの攻撃に欠かせない人物であることは間違いない。

しかし、守備はどうだろうか。現代サッカーではポジション関係なく守備のタスクが課されており、アタッカータイプでも守備の貢献度が高い選手が重宝される時代だ。それにエヴァートンは敵陣でのボールロストからのネガティブトランジションへの切り替えが早いチームだ。その中にハメスを入れてしまうと、どうしても浮いてしまう。彼は攻撃で能力を発揮できる選手だ、守備の部分では多少、目をつむるべきだと考える意見もあるかもしれないが、このレベルになってくるとそれは難しいだろう。ここまで6ゴール4アシストと結果は出しているが、少し物足りない数字となっている。
更に問題なのはロドリゲスを支えるボランチの不足だ。クリスタル・パレス戦でアンドレ・ゴメスが負傷退場し、トム・デイビスとギルフィ・シグルズソンがダブルボランチを務めたが、守備に重心を置いたコンビではない。そのうえ、ロドリゲスのプレスバックの少なさを考えると中央の守備が薄くなってしまう。本来であればアブドゥライェ・ドゥクレやアランといった守備に定評のある選手がいるのだが、負傷での離脱が相次いでいる。リシャルリソンやカルバート・ルーウィンといった前線の選手がロドリゲスの代わりにプレスバックしたとしても、2列目の守備が不完全であれば後方にも影響が生まれてしまう。この問題はロドリゲスを起用するうえで避けて通れない道であることは間違いないだろう。

とはいえ、ロドリゲスの出来次第で今後のチームの順位が決まるといっても過言ではないほどの攻撃センスを持ち合わせているのは確かであり、ここでの復帰はチームとして大きいはずだ。勝ち点も上位陣とそこまで離されておらず、残りの試合数を考えればチャンピオンズリーグ出場も諦めるべきではない。今後のエヴァートンの奮闘に注目したい。

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