完全復活を遂げた“エース”デ・ブライネ 全得点に絡む大車輪の活躍

2得点に絡んだデ・ブライネ photo/Getty Images

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主役はデ・ブライネ以外ありえない

今季のマンチェスター・シティはプレミアリーグを首位で独走中。国内のカップ戦であるFA杯とカラバオ杯はまだ勝ち残っており、国内3冠が見えてきているがやはり気になるのはチャンピオンズリーグだろう。ここ3シーズンはお決まりかのようにベスト8の壁を突破できず、準決勝の舞台にすら立てていないマンC。しかし、今季は一味違う。ボルシア・ドルトムントとの準々決勝1stレグを2-1で勝利し、まずはベスト4への足がかりをつくった。
 
白星となったこの試合だが、マンCの選手たちが浮足立っていたことは明白だった。エデルソン・モラレスやロドリといった普段落ち着いているプレイヤーが、小さなミスを連発。あわや失点となるシーンもあり、やはり大一番は難しいゲームだと再認識させられた。しかしこの試合で2得点両方の起点となったケビン・デ・ブライネはまさに圧巻だった。
 
先制点のシーンでは自陣からドリブルを始めてマフムド・ダフードに寄せられながらも、ものともしない体の強さを見せてパスを供給。その流れからゴールを決め、浮足立っている味方を安心させた。カウンター時には相手を引き付けて逆サイドに大きく展開するなど一人で局面を打開するなど要所で素晴らしいパスを供給し続け、この日チーム2番目の数字となるキーパス2本も記録した。

後半になり、デ・ブライネの高いパフォーマンスに触発されたのか、フィル・フォデンが躍動し始める。ベルギー代表MFと同じように一人で局面を切り抜けシュートまで持ち込む展開が見られるようになり、後半90分、デ・ブライネのクロスの流れからフォデンが決めてこれが決勝点となった。毎年、ここぞという場面で勝ち切れていなかっただけに、両得点に絡んだデ・ブライネの活躍は大きかった。
 
試合を通じて素晴らしいプレイを続けたデ・ブライネに対し、英『Manchester Evening News』はチーム最高点となる「9」の評価を付けており、「グアルディオラの要求を完璧にこなしていた。シティの中心として素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」とコメントを残している。
 
今季は怪我で離脱し、復帰後のマンチェスター・ダービーでは輝くことが出来なかったため、チームのファーストチョイスではなくなったとの辛辣な意見があったが、試合を重ねるたびに調子を上げてこの試合でベストなパフォーマンスを発揮したデ・ブライネは称賛に値する選手だと言える。実際、この試合で彼がいなければゲームを作る選手がおらず、後手に回るのはマンCだったに違いない。2ndレグもこの試合同様、難しい試合になることが予想されるが、デ・ブライネの奮闘に注目したい(データは『WhoScored.com』より)。

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