ハーランドの次を担う存在へ “16歳”の怪物FWが挑むエースへの挑戦

今季ドルトムントでトップチームデビューを果たしたムココ photo/Getty Images

もう出てきた新たなエース候補

かねてよりドイツ・ブンデスリーガは優秀な若手選手を数多く輩出するリーグだったが、今季も同リーグからはその将来が楽しみなティーンエイジャーが数多く躍動している。バイエルン・ミュンヘンのMFジャマール・ムシアラ(18)やレヴァークーゼンのMFフロリアン・ヴィルツ(17)など、期待感溢れる10代戦士は少なくない。

しかし、そんな中でもひときわ目を引くのはドルトムントのFWユスファ・ムココ(16)だろう。昨年11月に行われたリーグ戦第8節のヘルタ・ベルリン戦でトップチームデビューを果たすと、翌12月の第13節ウニオン・ベルリン戦ではブンデス最年少記録(16歳28日)となる得点も決めてみせた同選手。かねてよりその評価は高かったものの、まだ16歳の若者がここまで早くトップで結果を出したことに驚いた人は多いはずだ。

そんなムココがドルトムントのエースとなる日はいつになるのか。現在は4歳上のFWアーリング・ハーランドがその役割を担っているものの、彼には常に移籍の噂が絶えない。“優秀な若手を育成し、高額で他のビッグクラブへ売却する”。過去に財政破綻寸前の状況を経験したことから、ドルトムントはこの経営方針を大切にしている。それだけに、いくら優秀であろうとも、適切なオファーを受ければ同クラブはハーランドをも手放す構えだろう。そうなると、周囲が思っているよりも早くムココがエースの座に就くこととなるか。

「僕は(トニ・)クロースやマリオ・ゲッツェ、クリスティアン・プリシッチの下部組織時代を知っているけれど、ユスファは彼らと比べても最高レベルの才能を備えていると思うよ。アーリングと同じくらいの速度で成長できると思う」(独『Sport 1』より)

これは今年1月、チームメイトのDFマッツ・フンメルス(32)がムココのポテンシャルについて語った際のコメント。ドルトムントの重鎮も、また出現したヤングタレントの1日でも早いブレイクを期待しているようだ。

今季こそ怪我の影響で周囲よりも早めにシーズン終了を迎えてしまったムココだが、2021-22シーズンはドルトムントの主力としてさらに大きなインパクトを残すこととなるか。優秀な若手からチームの“絶対的エース”へ。16歳の選手にかける期待としては大きすぎるかもしれないが、規格外のヤングモンスターが見せる成長からは今後も目が離せない。

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