あえてボールから離れるという選択 チェルシーの若き司令塔が見せる特長とは

CLポルト戦で貴重な先制点を挙げたマウント photo/Getty Images

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ゴールゲッターとしても機能する22歳

現地時間7日に行われたチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグで、ポルト相手に2-0の勝利を収めたチェルシー。決勝トーナメント1回戦でユヴェントスを下し、勢いに乗るポルトガルの曲者集団が試合を優位に進める時間は多かった。しかし、それでもブルーズは複数得点とクリーンシートをしっかりと達成して大事な1stレグを乗り切ることに成功している。

その立役者となったのは、やはり先制点を挙げたイングランド代表MFメイソン・マウントだろう。32分、MFジョルジーニョからのパスを華麗なターンで受けつつ、ゴール左隅へと冷静にシュートを流し込んだ同選手。ポルトが試合を優勢に進めつつあった時間帯で、彼が決めた先制点には非常に大きな意味があったといっていい。この得点で、チェルシーの選手たちにはある程度の余裕ができたはずだ。

トーマス・トゥヘル監督の就任後も、以前までと変わらずチームの中心として機能し続けているマウント。勝負の場面で見せる決定的なプレイからも、彼がチェルシーにおける最重要人物とも言える存在となっているのは見て取れるだろう。これで2021年に入ってから、マウントは7ゴール目(今季全体では8ゴール)。後半戦に入って、同選手は自らがフィニッシャーとなる動きにも磨きがかかってきた。
そんなマウントに関して、特に注目したいのはボールを持った味方との距離感だ。攻撃を司るポジションの選手だけに、彼はできるだけ多くの時間ボールに触りたいはず。しかし、マウントはここぞの場面で味方ボールホルダーから一定の距離を取る動きを見せることも。実際、ポルト戦の先制点はジョルジーニョから離れ、自身がアタッカーの動きに専念することで生まれたゴールだったと言える。そのあたりの巧さは、選手としてマウントが持つ大きな特長と言えるだろう。

「私はマウントのプレイを本当に気に入っているんだ。パスも出せるのに、ゴールも決められるからね。彼のプレイで一番好きなのは、ボールを受けるためにボールから遠ざかる動きさ。その動きが有効だと気づき始めてから、マウントは余計に手がつけられない存在となっている。彼のようなタイプの選手であれば、一回でも多くボールに触りたいと思うはずなのに素晴らしいよ。これを継続できれば、マウントはさらに多くのチャンスをチェルシーに提供してくれると思う。彼のボールホルダーとの絶妙な距離感を、今後みんなもよく見ていておいてほしい」(英『BT Sports』より)

かつてマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏も、マウントの“あえてボールから離れる”動きには一目置いている様子。パスの出し手としてだけでなく、受け手としても大いに機能するチェルシーの若き司令塔。現地時間13日に行われる2ndレグでも、マウントはこの動きを武器に得点を決めることができるか。チェルシーの22歳は、司令塔として少し異質とも言える強力な特性を持ち合わせている。

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