覚醒の鎌田やシウバで“三銃士”時代を超える 称賛されるべきヒュッターの手腕

フランクフルトで活躍する鎌田と長谷部 photo/Getty Images

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リーグ2位の得点力

ここまでのブンデスリーガを振り返ると、現在の最多得点チームは79得点を奪っている王者バイエルンだ。

バイエルンとは差がついているものの、それを追いかける得点ランク2位のチームがドルトムント、そして日本人選手が2人所属するフランクフルトで、ここまで55得点を奪っている。

アーリング・ハーランドやジェイドン・サンチョら若きスターを抱えるドルトムントの攻撃力は開幕前から定評があったが、フランクフルトがここまで得点を伸ばしてくると予想していた人はどれだけいただろうか。
称えるべきはチームを指揮するアディ・ヒュッターだ。2017-18シーズンにスイスのヤングボーイズをリーグ制覇へと導いたヒュッターは、2018-19シーズンよりフランクフルトでの仕事を開始。このシーズンといえば、ルカ・ヨビッチ、アンテ・レビッチ、セバスティアン・ハラーのアタッカー三銃士を軸にヨーロッパリーグでベスト4入りを果たしている。

フランクフルトを指揮するヒュッター photo/Getty Images

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CLの舞台も見える

当時はヨビッチがリーグ戦で17得点、ハラーが15得点、レビッチが9得点を記録し、攻撃の大部分をこの3人に依存していたのだ。

しかし、その後この3人は揃って移籍。ヒュッター率いるフランクフルトは攻撃の核を一気に失うこととなった。攻撃力の大幅ダウンは避けられなかったが、ヒュッターは新たな攻撃スタイルを作り上げてみせた。

何と言っても今季はFWアンドレ・シウバが覚醒。ここまでリーグ戦で22得点を奪っており、その衝撃は2018-19シーズンのヨビッチをも超えていると言っていい。

さらにヒュッターは日本代表MF鎌田大地の攻撃性も引き出してくれた。リーグ戦での得点数は4点とあまり多くないが、今や鎌田はブンデスリーガTOP10に入るチャンスメイカーになった。シウバの得点量産にも貢献しており、フィリップ・コスティッチらとともにフランクフルトの攻撃に欠かせない。

アタッカー三銃士が爆発していた2018-19シーズンはリーグ戦の得点数が60点だったが、今季はすでに55点。当時の得点数を超える可能性が高く、現在は順位も4位と安定している。

またヒュッターは37歳のベテラン・長谷部誠の長所も活かすなど、年齢等に縛られない柔軟性も持ち合わせている。選手個々の良さを引き出し、あくまで中堅クラブのフランクフルトを欧州カップ戦の舞台へ導く。この仕事ぶりはもっと評価されるべきで、名将への道を歩んでいる指揮官の1人と言えそうだ。

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