“イブラの弟子”が見せる急成長 本格ブレイクの兆しを見せるミランの21歳

まだ荒削りな部分もあるが、今季レオンは一定の手応えを掴んだか photo/Getty Images

今季は実りの多いシーズンに

第30節終了時点でこそ首位インテルに独走を許すことになっているものの、2020-21シーズンの序盤戦に素晴らしい戦いぶりを披露していた2位ACミラン。久しぶりのスクデット獲得はだいぶ遠のいてしまったが、それでも今季の彼らはサプライズ呼ぶに相応しい奮闘を見せていると言っていいだろう。

その原動力となったのは、間違いなくFWズラタン・イブラヒモビッチだ。39歳を迎えても圧倒的な得点力やチャンスメイク力を武器に、ミラン攻撃陣の要となっている同選手。ここまでリーグ戦17試合15ゴールという結果も、その存在感の大きさを物語っている。

しかし、今季のミランはそんなイブラヒモビッチだけではない。特に成長を見せているのはFWラファエル・レオン(21)だ。加入初年度となった昨季の前半戦はあまりパッとしなかった同選手だが、後半戦からは多くのミラニスタから注目される存在に。百戦錬磨のイブラヒモビッチに教えを乞うと、みるみるうちにチームの重要な戦力となっていった。

今季は従来のCFだけでなく、ウイングとしても活躍中のレオン。前線での動きの質も大きく向上し、今では攻撃陣に欠かせぬマルチロールなアタッカーとなっている。そんなレオンが、複数のポジションで出場機会を得ることができている秘訣は一体なんなのか。その答えは本人が伊『Sky Sport』のインタビューで発したコメントの中に隠されているのかもしれない。

「CFであろうと、ウインガーであろうと、ポジションは関係ないよ。僕がやるべきはどんな時でも味方を助け、チャンスを提供しながらゴールを決めることだ。どこにいても、ベストを尽くしてやるだけさ。基本的な仕事は変わらないんだからね」

CFとウイングでは求められる役割も変わるはずだが、レオンは仕事の枠組みを大きく捉えることでその役割のギャップを埋めているのか。細かいタスクに違いはあれど、どちらのポジションも同じFWであることに違いはない。得点を奪うために、自分は今いる場所からどう動くか。シンプルだが、この考え方がレオンにはうまくハマったのだろう。

まだオフ・ザ・ボールなどについては課題が残るものの、今季は本格ブレイクへの大きな一歩を踏み出すこととなったレオン。はたして、21歳のストライカーは今後ミランでどこまでの成長を見せてくれるのか。“イブラの魂”を受け継ぐFWとして、長年ロッソネリを支える存在となればおもしろい。

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