27得点奪ってもサボらない “最前線にいるDF”の顔も持つインテルの巨人

インテルの絶対的エースではあるが、きちんと守備のタスクもこなすルカク photo/Getty Images

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怪物ストライカーの細かな仕事にも注目せよ

2019年夏のインテル加入以降、イタリアで目覚ましい活躍を披露し続けているのがベルギー代表FWロメル・ルカクだ。加入初年度となった昨季にいきなりシーズン34得点を記録した巨人FWは、今季もここまで公式戦37試合の出場で27得点を記録。その勢いは止まるところを知らない。

そんな、今や押しも押されもせぬインテルの絶対的エースとなったルカク。しかし、彼のプレイにおいて注目すべきはその攻撃性能だけではない。圧倒的なフィジカルを武器に重戦車の如く敵陣で存在感を発揮する同選手だが、守備における貢献も見逃せないのだ。

現代サッカーにおいて、FWが守備に参加するというのは基本になりつつある。しかし、それを踏まえたうえでもルカクの守備における仕事は細かい。インテルのスタイルもあって前線から果敢にプレスを仕掛けてボールを奪う派手なディフェンスこそ目立ちはしないものの、この巨人FWは試合を通して地味な仕事を決して怠らない。相手最終ラインのパスコースを切る動きや、ボールが最前線の防衛ラインを越えた後のプレスバックの意識の高さ。スタッツにはなかなか表れない動きだが、前線でコンビを組むFWラウタロ・マルティネスと共に貢献度は高い。
「監督からは『ストライカーがチーム最初のDFなんだ』と毎度言われているよ。実際、そうだと思う。だから、僕やラウタロ、(アレクシス・)サンチェス、ピナモンティといった選手は、試合に出ればまず相手のチャンスの芽となる動きを阻止しようとプレイするんだ。僕たち4人は本当に様々なタスクをこなしていると思うよ。それによって、チームは大きな恩恵を受けるからね」(伊『Gazzetta dello Sport』より)

ルカク本人も、自身の守備意識の高さについてはこのように語っている。どうやら、コンテ監督からは相当に口酸っぱくディフェンスに参加するよう促されているようだ。それでも長い時間集中力を切らさずに、地味ない仕事を続けることができるのは称賛に値するといえるだろう。

派手さが目立つ攻撃面とは裏腹に、守備では細かなタスクを丁寧にこなすルカク。今季ここまでインテルがリーグ最少タイの27失点しか喫していないのは、彼の貢献によるところも相当に大きいのかもしれない。

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