トッテナムに逆転勝利のマンU 勝利の秘訣はトレーニングでのジャッジにあり

トッテナム戦では見事逆転勝利を飾ったマンU指揮官オーレ・グンナー・スールシャール photo/Getty Images

ミスジャッジをトレーニングに取り入れる柔軟な発想力

人間はどうしたってミスはしてしまう。サッカーの審判でもそうだ。誤審もあるだろう。近年、サッカーのレベルが上がってきており、正確な判断は困難を極める。そのためにVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)という新しい制度も導入された。ミリ単位でのオフサイドのチェックは少し驚いたが、ペナルティエリア内でのファウルが正しくジャッジされるのは非常に素晴らしいと言える。

とはいえ、まだ疑問に思ってしまう判定も少なくない。ピッチ内でも選手たちがセルフジャッジでプレイを止めてしまうシーンも散見されるが、これは良くないだろう。その一瞬の気の緩みがピンチを招いてしまう可能性もある。

そんな審判のジャッジについて、マンチェスター・ユナイテッドは意図的にミスジャッジをトレーニングに取り入れていると、指揮官であるオーレ・グンナー・スールシャールが英『Manchester Evening News』にコメントを残している。

「エディソン・カバーニのゴールが認められず集中力を欠いてしまうのは容易に想像できた。しかも、その直後に失点を喫している。それでも、選手たちは冷静さを取り戻し、逆転することに成功した。このようなことが起こることを想定し、日々のトレーニングで意図的にミスジャッジを取り入れている」

このカバーニのゴールだが、二つ前でパスを出したスコット・マクトミネイとソン・フンミンが接触したところでマクトミネイ側のファウルとなっている。確かにマクトミネイの手がソン・フンミンの顔に当たっているが、これがファウルかと言われれば疑問が湧く。更にゴールシーンではカバーニはオンサイドであり、文句の付けようがない完璧なゴールだ。それを重要な一戦で取り消されてしまえば、気持ちが沈んでもおかしくはない。

それでも、日々のトレーニングのおかげで気持ちを落とすことなくプレイし、逆転に成功したマンUの選手は称賛に価すると言える。

他クラブでもこの試みを行っているか分からないが、非常に有効なトレーニングだと言える。審判のジャッジにはどうしても限界があるため、どんな状況にも対応できるトレーニングを組み込んでいるのはさすがの一言だ。

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