8年ぶりに“禁断の移籍”が実現? ミラノ間での歴代移籍を振り返る

今季限りでインテルとの契約が満了を迎え、ミラン行きが噂されるダンブロージオ photo/Getty Images

ダンブロージオがミランへ移籍する可能性

ともにイタリアのミラノを本拠地とし、100年以上もライバル関係にあるインテルとACミラン。7試合残して9ポイント差と、ここにきて決着がついた感は否めないが、久しぶりにミラノの2クラブでスクデット争いを繰り広げ、今季のセリエAを大いに盛り上げている。今夏の移籍市場において、そんな2クラブ間で久しぶりに選手の移動が起こるかもしれない。

伊『sportitalia』によると、ミランが6月にインテルとの契約が満了を迎えるイタリア代表DFダニーロ・ダンブロージオにオファーを出したとのことだ。インテルも同選手との契約延長を検討しているようだが、新たに提示した契約期間は1年のみ。ダンブロージオ側は2年以上での契約を希望しており、ライバルクラブのミランがその2年契約のオファーを提示したという。

インテルとミランの間での移籍は、レアル・マドリードとバルセロナの間で起こる移籍ほど禁忌ではない。実際に、これまでレンタルやトレードを含めて数々の移籍が実現してきた。ただ、やはり頻繁に起こるものではなく、ここ数年全く実現していないところをみると、“禁断の移籍”と言っていいではないか。ファンからしても、愛した選手のライバルクラブへの移籍はかなり複雑に違いない。選手によっては、ミラノダービーで激しいブーイングが起こることももちろんあった。そこで、これまで実現したミラノ間での移籍を振り返ってみる。

ここ数年間で見ると、インテルとミランのあいだで起こった直接的な移籍はユース年代の選手が数名で、プロ選手による移籍は起こっていない。最も新しいものでは、2013年夏にインテルからミランへレンタル移籍したDFマティアス・シルベストレ(現ロイヤル・エクセル・ムスクロン所属)、完全移籍となると2012年夏に起こったFWアントニオ・カッサーノ(2018年に引退)とジャンパオロ・パッツィーニ(2020年に引退)のトレードまで遡る。

21世紀に入って起こった大きな移籍といえば、やはり2002年夏のDFフランチェスコ・ココ(2007年に引退)とMFクラレンス・セードルフ(2014年から指導者に)のトレードか。ココは怪我に悩まされてインテルで思うような結果を残せなかったが、セードルフは栄光の背番号である10番を任されたり、2度の欧州制覇を成し遂げたりと、ミランで一時代を築いた。他にも代表的なものといえば、2001年にはアンドレア・ピルロ(現ユヴェントス監督)が、2005年にはクリスティアン・ビエリが、インテルからミランへの移籍を果たしている。

さらに遡ると、ホームスタジアムの名前にもなっているジュゼッペ・メアッツァもインテルとミランの両方でプレイした選手のひとり。1940年夏にインテルからミランへ移籍し、1942年夏からユヴェントスやアタランタを渡り歩いたのち、1946年夏にインテルへ復帰して引退している。

また、現在ミランでプレイしているズラタン・イブラヒモビッチを筆頭に、ロベルト・バッジョ(2004年に引退)、エルナン・クレスポ(現FCサンパウロ監督)、ロナウド(2011年に引退)、レオナルド・ボヌッチ(現ユヴェントス)らも、直接的な移籍ではないが、いつくかのクラブを経由しながらミラノの両クラブでプレイした選手たちである。

こうしてみると、やはり敵に塩を送りたくはないライバル同士ということもあり、双方にメリットのあるトレードが移籍方法のメインか。それを除くと、ミランからインテルへ移籍よりも、どちらかといえばインテルからミランへ移籍する選手が多いように思う。8年ぶりとなるミラノ間での移籍が実現し、ダンブロージオは彼らに続くのか。

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