WBなのにキーパス数がセリエA“3位” 23歳の復帰でインテルは完全体となる

ヴェローナで着実な成長を見せているディマルコ photo/Getty Images

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巧みな攻撃性能備える武者修行中のレフティー

2020-21シーズン、セリエAで首位を快走しているインテル。第31節終了時点で積み上げた勝ち点は75ポイントあり、2位ACミランとの差は現在「9」にまで開いている。残りが7試合ということを考えると、悲願のスクデット獲得はもうすぐそこまで迫っていると言っていい。

しかし、その目標を達成したとしても、インテルの戦いがそこで終わるわけではない。その後に待っているのは夏の移籍市場だ。たとえ今季を大成功で終えることができたとしても、新たなシーズンに向けてスカッドの整備は行っていかなければならない。

そんなインテルが夏のマーケットで補強すべきポイントはどこか。おそらく、それは左ウイングバックのポジションだろう。昨夏獲得したアレクサンダル・コラロフは期待外れに終わり、2020年冬の加入から奮闘してきたアシュリー・ヤングも7月には36歳を迎える同ポジション。イバン・ペリシッチやマッテオ・ダルミアンといった選手も起用されているが、若いレギュラークラスは一人確保しておきたいところだ。
そういった状況で、現地各メディアがインテルに獲得を進言しているのはチェルシーのイタリア代表DFエメルソン・パルミエリだ。今季ブルーズではなかなか出番を得ることができていない同選手だが、その実力には定評がある。過去、パレルモやASローマといったイタリアクラブで活躍した実績も考えれば、悪い補強ではないだろう。

しかし、わざわざ他クラブから優秀な選手を獲得しなくても、インテルはこの左SB問題を解決することができるかもしれない。そのカギを握るのがDFフェデリコ・ディマルコ(23)だ。昨季途中からエラス・ヴェローナにレンタルされている同選手は、今季セリエAの舞台で着実な成長を見せている。

ディマルコの能力に関して、注目すべきはその攻撃性能だ。今季はここまでセリエAで4ゴール5アシストを記録しており、巧みな緩急を利用したドリブルや丁寧に味方へ届けるラストパスの精度は絶品。なかでも、リーグ3位のキーパス数「61」を記録しているのは興味深い。1位のハカン・チャルハノール(86本)や2位のロドリゴ・デ・パウル(72本)といった中央で仕事をするチャンスメイカーたちに、ディマルコは左ウイングバックを主戦場としながら食らいついているのだ。

右に爆発的なスピードを備えたアクラフ・ハキミ、左に巧みなチャンスメイクを得意とするディマルコ。この両サイドのコンビが完成すれば、来季のインテルはさらなる高みを目指すことができるか。上手くハマれば、ディマルコはエメルソン以上の存在感を放つことができるだろう。武者修行中のレフティーを無事に呼び戻すことこそ、ネッラズーリにとっては最大の補強となるか。攻撃の局面で多くの引き出しを持つディマルコの復帰は今から待ちきれない。

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