[MIXゾーン]名古屋の“切り込み隊長”が見せた頭脳的な駆け引き 背景には様々な策略が……

試合後のインタビューに応じる相馬 photo/スクリーンショット

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選択するプレイをうまく使い分け

名古屋グランパスは22日、明治安田生命J1リーグ第11節でガンバ大阪とホームで対戦した。

名古屋は11試合で失点「3」、G大阪は5試合で同「2」と、消化試合は異なるものの、ここまで堅守を披露してきたチーム同士が相見えたこの一戦。29分に左サイドを突破した相馬勇紀のクロスから、ファーサイドへ走り込んでいた山﨑凌吾がゴールネットを揺らし、名古屋が先制に成功する。さらに後半に入ると、55分にスルーパスから相手の背後へ向け出した相馬が、ペナルティアリア内で冷静に相手をひとりかわして、勝利を手繰り寄せる追加点を決めた。試合はこのまま終了し、名古屋が2-0でG大阪を撃破。勝ち点を「29」まで伸ばし、首位の川崎フロンターレを勝ち点差「3」できっちり追走している。

この試合で1ゴール1アシストの活躍を見せ、勝利の立役者となったのがグランパスの“切込隊長”である相馬。足元と背後、縦への仕掛けとカットインなど、選択するプレイをうまく使い分けながら、G大阪守備陣を翻弄しているのが見てとれた。得点やアシストのシーン以外にも、左サイドで一際存在感を放っていたのだ。この相手との素晴らしい駆け引きには、しっかりと相馬なりの策略があったようだ。試合後にG大阪戦を振り返りつつ、様々な考えを明かしてくれた。

ーー2得点に絡む活躍でしたが、試合を振り返ってみて


1つ目(のゴール)は、最初(吉田)豊さんから受けるときの受け方が相手の逆を取ってから受けたってところがよかったです。あとは今日は仕掛ける姿勢が実ったのかなと思います。あのゴールが決まる前に中へ2回仕掛けていたので、それを活かして縦に行きました。クロスはヤマくん(山﨑凌吾)がいつも入っているところにあげました。

得点の方も豊さんからなんですけど、まずはしっかりと背後へのランニングを狙っていたので、そこが良かったです。あとは、シュートを打つ前に左足でニア上を抜こうか迷ったんですけど、相手が飛び込んでくるのが見えました。切り返したところの(ボールの)置き位置も良かったかなと思います。

ーーゴール後に喜びを爆発させていましたが


点は入ったんですけど、みんな疲れていたのか、周りを見たら全然喜んでくれる人がいなくて……待っていた状況でした(笑)。回って待っていたんですけど、ヨネくん(米本拓司)をはじめ、みんな駆け寄ってきてくれたので良かったです。

ーー仕掛ける姿勢は、前節鳥栖の敗戦の影響からか?


チームでもう一度、特にアタッカー陣は仕掛ける姿勢でいこうということ。ああやって仕掛けたり、シュートを打たないと点は入らないので、そこは練習で見つめ直そうというふうにチームで準備していました。

ーー今日はマッチアップした相手が攻撃的な選手でしたが、サイドの攻防について


小野瀬(康介)選手だったので、スピードがあることはわかっていました。(相手の)攻撃のところは、ドリブルで抜いてくるかなと思っていたので、結構シャットアウトできたかなと思います。(相手の)守備のところは、攻撃的な選手がサイドバックに入ると、背後の対応は得意じゃないと思います。背後へのランニングと足元で受けるというのを、今日は使い分けられたのが良かったかなと思います。

ーーその駆け引きが功を奏し、リズム良くプレイできていたように見えたが、その要因は?


やっぱ自分を進化させたいというところ。受けるところの動き出しの質だったり、しっかり走り切るところだったりを、今一度見つめ直せていました。あと仕掛ける姿勢だったり、そういうところが良かったかなと思います。

ーー次節は首位川崎との対戦。意気込みは?


本当に川崎さんは素晴らしいチームだと思います。だからといって、僕らが勝てないとも思っていません。2連戦と続くんですけど、まず1戦目がホームでできる最高の状態だと思うので、川崎戦へ向けての準備をしっかりとして、絶対に勝つというところ。勝利だけを目指してやっていきたいと思います。

ーー東京五輪の組み合わせも決まりました。意識やモチベーションの変化はあったのか


相手が決まったからモチベーションが上がるようじゃダメだとは思うんですけど、昨日の発表のときはリアルタイムで見ていました。今日の試合とはまた別に、単純にワクワクしています。メディアの方では、強いグループになったとか書かれていましたけど、自分からしたらどの相手でも倒せなきゃ優勝はできないと思います。本当に素晴らしい相手と試合ができて、それで勝利する、楽しさやワクワク感が広がっています。本当に充実してやれています。

ーー東京五輪の登録メンバーは18枠。クラブでも激しいポジション争い。今日の結果で自信が深まった部分は?


結果を出すということは、一番大切なことだと自分の中では思っているので、本当によかったです。ただ、結果を出すことを当たり前にしていくことが大切だと思うので、次へ向けて今日の良かったところと悪かったところをしっかり振り返って、繋げていきたいと思います。

頭脳的な駆け引きが際立っていた相馬。次戦からの川崎との2連戦でも、間違いなくキーマンとなるだろう。王者との一戦でも相手を翻弄できるか。

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