相馬&マテウスこそが名古屋の生命線 “マッシモ流”を支えるサイドアタッカー  

独力で突破できる相馬の存在は貴重(写真は広島戦) photo/Getty Images

相馬は1得点1アシストの大活躍

名古屋グランパスは、4月22日に行われた明治安田生命J1リーグ第11節でガンバ大阪と対戦し2-0で勝利。2試合ぶりの無失点で勝ち点を29に伸ばした。

前節サガン鳥栖相手に前半で2失点するなど、9試合継続していた無失点記録が崩れ今季初黒星を喫した名古屋。昨季2位のG大阪を迎えた今節ではチームとしての修正が求められた。

前半開始直後はG大阪にチャンスを与えながらも徐々にホームチームがペースをつかみ始めるなかで、カギを握ったのがマテウスと相馬勇紀のサイドアタッカー。今季開幕から好調を維持する前者とともに、左サイドに配置された後者も持ち味の積極的なドリブルによる仕掛けから、G大阪の守備陣を切り崩す。

先日はU-24日本代表にも選出され存在感を示すなど、東京五輪出場も視界に捉える相馬だが、この試合では2節以来遠ざかっていたゴールに対する執着心をみせる。得意とする縦へのドリブルとともに中へ切り込み積極的にシュートを放つなど思い切りの良いプレイで名古屋の攻撃を活性化させる。

その姿勢が結果にも表れた。まずは前半29分に生まれた先制点。左サイドでボールを受けた相馬が緩急をつけたドリブルで三浦弦太のマークを外しクロスを上げると、山崎凌吾が胸トラップから左足での落ち着いたシュートを蹴り込んだ。

さらに迎えた後半10分には吉田豊からパスで裏へ抜け出した相馬が、落ち着いた切り返しから右足でゴールを沈めた。前半のアシストと同じく対峙した三浦を翻弄するドリブルの切れ味をみせつけた。

今季はこれまで名古屋のSHはさまざまな人選が試されてきたが、この試合で相馬が傑出したパフォーマンスをみせアピールに成功した。U-24日本代表MFとマテウスが組むアタッカーコンビは個で相手を剥がすことができ、独力で違いを生み出せる。マッシモ・フィッカデンティのサッカー体現するのに不可欠であり、名古屋の生命線であることを改めて示した。

昨季2位のG大阪相手に快勝を収めた名古屋だが、次節はついに首位を走る川崎フロンターレとの一戦を迎える。絶対王者相手にもカギを握るのはサイド攻撃であり、この日1得点1アシストと結果を残した相馬には攻撃の軸であるマテウスとともに名古屋の攻撃を牽引する働きが求められる。

鳥栖戦の敗戦を引きずることなくG大阪相手に強さを証明した名古屋。得意の堅守を活かすために攻撃陣の奮起が求められるなか、フィッカデンティのチームを支えるサイド攻撃には引き続き期待したいところだ。

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