逆転トップ4は堅い? ガットゥーゾ・ナポリが見せるCL出場へのラストスパート

今季もナポリの攻撃を牽引するメルテンスとインシーニェ photo/Getty Images

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残すは2桁順位のチームとの対戦のみ

多少消化試合に差はあるものの、セリエAの2020-21シーズンも残り6試合。すでに1位と2位の勝ち点差が「10」もあるため、インテルの優勝は堅そうだが、欧州コンペティションの出場権争いの行方は、まだまだ何が起こるかわからない。

そんな中で、来季のチャンピオンズリーグ出場へ向けてラストスパートをかけているクラブがいる。現在セリエAで5位(勝ち点「63」)のジェンナーロ・ガットゥーゾが率いるナポリだ。第16節スペツィア、第19節ヴェローナ、第21節ジェノアといった格下相手の試合を落とすなど、中盤戦ではやや停滞気味であった同クラブだが、ここにきて調子を上げてきているのだ。

4月7日に延期されていた第3節ユヴェントス戦は接戦の末に1-2で落としてしまったものの、ナポリの直近10試合の成績は7勝2分1敗。ミラン(1-0)やラツィオ(5-2)を退けているほか、首位インテル(1-1)からもしっかり勝ち点を奪っており、着実にポイントを積み重ねている。また、この間の得点数が「24」と、勢いに乗る主将ロレンツォ・インシーニェ(直近10試合で7ゴール2アシスト)を中心とした攻撃陣が、ドリース・メルテンスが怪我から復帰したことも相まって好調。ガットゥーゾ監督も試合後によく口にしている“お粗末なミス”からの失点はやや気になるが、守備陣もクリーンシートが「4回」、最小失点で抑えた試合が「2回」とトップ4フィニッシュへ最低限の結果は残せていると言っていい。
さらに、今後の日程を見てもナポリのアドバンテージは大きい。フィオレンティーナやカリアリといった曲者との対戦はあるものの、対戦カードは全て現時点で2桁順位に沈んでいるチームで、上位陣との対戦は一つもない。残留を争っているチームも必死に勝ち点を奪いにくるため、決して簡単なゲームにはならないだろうが、上位陣との対戦を複数回残している2位ACミラン(勝ち点「66」)、3位アタランタ(同「65」)、4位ユヴェントス(同「65」)、6位ラツィオ(同「58」で1試合未消化)よりも、比較的楽な日程と言ってもいいのではないか。これらを考慮すると、ナポリが最終的にトップ4へ食い込む可能性は高いように思う。

ただ懸念材料があるとすれば、上位陣との直接対決が残されていないため、勝ち点の取りこぼしが致命的となる可能性が高い。はたして、ナポリはCL出場権獲得へ向けて、逆転トップ4フィニッシュを成し遂げることができるのか。

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