“60億円の男”は重圧に弱すぎる? 決勝点挙げても評価上がらぬFWの苦悩

ウェストハム戦で決勝点を挙げるも、54分に訪れたチャンスは生かすことができなかったヴェルナー photo/Getty Images

決定機逸はリーグ最多クラス

現地時間24日に行われたプレミアリーグ第33節のウェストハム戦を、1-0の勝利の飾ったチェルシー。来季チャンピオンズリーグ出場権を争うライバルとの直接対決を制し、順位もようやく4位まで浮上することに成功している。

そんな重要な一戦となったウェストハム戦で、値千金の決勝ゴールを挙げたのがFWティモ・ヴェルナーだ。昨夏RBライプツィヒから4500万ポンド(約60億円)もの移籍金で加入したストライカーが、ようやく大仕事をやってのけた。今年2月の第24節ニューカッスル戦以来の得点とあって、本人も喜びはひとしおだろう。

しかし、ヴェルナーはこの結果を手放しで喜ぶこともできないか。貴重な決勝点を挙げた同選手だが、彼はこの試合でもう1点稼ぐことができた。現地メディアの間ではそんな意見が散見される。

問題のシーンは、1点リードで迎えた54分だ。MFメイソン・マウントがバイタルエリアから強烈なミドルシュートを放つと、相手GKがセーブしたボールはゴール前にこぼれる。そこに詰めたヴェルナーだったが、彼はほぼフリーの状態からシュートを枠外に外してしまった。難しい角度ではあったものの、この決定機逸にはトーマス・トゥヘル監督も「何が起こったんだ」という表情。これが決まっていればその後は多少楽な展開となっていたことも考えられるだけに、手痛いプレイだったことは否めない。英『BBC』もこのプレイに関して、「これこそ彼が批判される理由」と辛辣な言葉を投げかけている。

もちろん、相手GKが態勢を立て直す速さや角度の問題もあっただけに、ヴェルナーを擁護することはできる。しかし、今季彼が決定機を外すのはこれが初めてというわけではない。むしろ、リーグでもかなり多いのだ。データサイト『SofaScore』によると、今季これまで同選手が外した決定機の数はリーグで2番目に多い17回。正直、多くの人が「またか」と思ってしまうのも無理はないだろう。それだけ決定機を演出している裏返しでもあるが、チェルシーが彼を獲得したのは“ゴールを決める”役割を期待したから。そうした背景を考慮すると、厳しい意見も仕方ないと言わざるを得ないか。

結果を残したことは賞賛に値するが、その期待値からしてまだ満足はできないヴェルナーのパフォーマンス。はたして、チェルシーが約60億円もの大金を投じて獲得したストライカーはここから現在の評価を覆すことができるのか。今度は文句がつかぬほどの大活躍で、周囲の雑音を振り払いたいところだ。

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