これこそが“グリーズマン本来の姿” クーマン・バルサ逆転優勝のカギ握るか

本来の存在感を見せるようになったグリーズマン photo/Getty Images

ここ6試合で5ゴールの活躍

バルセロナは4月25日に行われたリーガ・エスパニョーラ第32節でビジャレアルと対戦し、1-2で勝利を収めた。ウナイ・エメリ率いるチームとの戦いにおいて逆転勝ちの立役者となったのがアントワーヌ・グリーズマンである。

リオネル・メッシと2トップを組んだグリーズマンはアルゼンチン代表FWとともに前線に張りゴールを狙うだけでなく、下がって味方のパスの受け手となりバルセロナを円滑に回す役割を担うなど、幅広い役割をこなしながらチャンスをうかがう。

すると、ビジャレアルに先制点を奪われた直後の前半28分に巧みな動き出しで相手DFの裏を取りオスカル・ミンゲサのパスを引き出すと、最後はアウトサイドにかけた芸術的なループシュートを決める。

バルセロナ移籍1年目の昨季を上回るリーグ戦10点目を決めたフランス代表FWはしたたかさも兼ね備えている。前半35分にはビジャレアルDFのGKへのバックパスを予測し、ゴール右隅へ2点目となる逆転ゴールを沈めた。

いずれも持ち味を活かした2ゴールでチームを逆転勝利へ導いたグリーズマン。昨季はメッシやルイス・スアレスの存在もあり、慣れない左WGで守備に奔走する時間も増えるなど、アトレティコ・マドリードやフランス代表でみせてきた攻撃での貢献が乏しく批判にも晒された。

しかし、今季はロナルド・クーマンのもとで信頼を寄せられ得意の中央でプレイする時間も増えた。オランダ人指揮官がシーズン途中から積極採用する3バックシステムではシャドーや2トップの一角として攻撃に関与する機会も増えてきている。

また、序盤戦にゴールを量産しながら怪我で長期離脱したアンス・ファティやフィリペ・コウチーニョなどに比べると、毎年リーグ戦で30試合以上にコンスタントに出場し続けるグリーズマンは稼働率も魅力で、クーマンにとってもメッシとともに前線で計算の立つ貴重な存在といえる。

昨季批判を受けた得点数でもここ6試合で5ゴールと量産体制に入っており、1試合未消化の状況で首位アトレティコに勝ち点差2と逆転優勝が現実味を帯びてきたバルセロナにおいて、グリーズマンの終盤戦の爆発はカギを握るだろう。

ビジャレアル相手に勝利しアトレティコを捉えてのリーガ制覇が視界に入ってきたバルセロナ。ここに来て存在感を高めるフランス代表FWはさらなる活躍でクーマン率いるチームを優勝に導けるか。

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