古巣対決で“8000万ユーロの男”は変わるのか アザールに迫るラストチャンス

レアル加入以降は満足いくパフォーマンスを披露できていないアザール photo/Getty Images

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周囲の期待は“時間切れ”が近づいている裏返し

もはや“忘れられた男”になってしまったと言っていいのかもしれない。2019年夏にチェルシーから満を持してレアル・マドリードにやってきた快速ドリブラーだが、白い巨人において今や彼の存在感は相当に薄くなってしまっている。その快速ドリブラーとは、もちろんベルギー代表FWエデン・アザールのことだ。

チェルシー時代には観衆を魅了するプレイを連発し、間違いなく世界でもトップクラスのウイングとして人々に認識されていたアザール。しかし、レアル移籍以降は度重なる故障の影響もあり、ここまで同選手の稼働率はわずか25.3%にとどまっている。2シーズン弱でレアルがこなした8700分間のうち、アザールはたった2204分間しかピッチに立っていないのだ(出場時間は『transfermarkt』参照)。加入当初こそクリスティアーノ・ロナウドに代わるエースとして期待されるも、現時点でこの男は8000万ユーロ(当時レートで約97億円)にものぼったとされる高額な移籍金に見合う働きを見せることができていない。

そんななかで迎えるのが、現地時間27日に行われるチャンピオンズリーグ準決勝1stレグのチェルシー戦だ。ここまでレアルでは思うような時間を過ごせていないアザールではあるものの、古巣との特別なゲームだけにここで復活のキッカケを掴みたい。スタートこそFWヴィニシウス・ジュニオールの起用が濃厚と言えるが、たとえ少ない出場時間でも今後に向けて期待感あふれるプレイは見せてほしいところだ。
「エデンは優れた選手だ。古巣との対戦ということで、モチベーションは上がっていることだろう。僕らも彼が持っているクオリティは十分に理解している。チームを助けるためにも、ピッチでそれを証明してほしいね」(英『THE Sun』より)

チームメイトのDFラファエル・ヴァランも、チェルシー戦におけるアザールの活躍にはこのように期待を寄せている。加えて、英『Daily Mail』も「チェルシー戦こそ、アザールがレアルでのキャリアに火をつけるチャンス」と主張しており、彼がキャリア再浮上のキッカケを掴むにはここしかないという論調は現地でも高まっている。

とはいえ、こうした周囲からのエールは、「アザールにとって、このチェルシー戦が評価回復へのラストチャンスかもしれない」という思いから出ている部分もあるのだろう。思い入れがあるはずの古巣対決でも一定の成果を残せないとなると、いよいよ状況は厳しいものになるはず。はたして、かつて“世界最高級ドリブラー”と称された男は、大一番で再び輝きを放つことができるのか。いつか活躍してくれると信じるファンのためにも、アザールはここで復活への第一歩を踏み出したいところだ。

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