ドルトムントは“左サイドの核弾頭”を確保せよ 超攻撃軍団で暴れるレフティー

アタランタの左サイドで躍動するゴセンス(右) photo/Getty Images

ゲレイロを前で使うなら獲得したいWB

2020-21シーズン、ブンデスリーガで苦戦を強いられたドルトムント。近頃は調子を取り戻してきたものの、一時は7位にまでその順位を落とすこととなった。長くバイエルン・ミュンヘンの牙城を崩す筆頭候補として捉えられてきた同クラブだが、今季は少し屈辱を味わうシーズンとなってしまっている。

そんな低迷を来季も繰り返さぬよう、夏の移籍市場における補強は必須だろう。そんななか、自慢の攻撃力をさらに強化する存在として、ドルトムントが注目しているとされるのがアタランタのドイツ代表MFロビン・ゴセンス(26)だ。ほかにも補強ポイントはいくつかあるものの、ドイツの黄色軍団はこの“超攻撃的WB”の確保に熱心だと独『Sport Bild』が伝えている。

たしかに、ゴセンスが加わることになればおもしろい。現在のドルトムントにおいて、3バックシステム採用時に左WBとして計算できるのはMFラファエル・ゲレイロのみ。だが、その特長からして彼はもう少し前のポジションで起用してみたいところだ。決定的なラストパスでチームにチャンスを提供する同選手がもっと前線でボールに絡むことができれば、ドルトムントの得点数はさらに上がってくるはずだ。これまでは代役となる選手がいなかったものの、ゴセンスが加入することとなれば、左WBを彼に任せてゲレイロは前線で自由を得ることができる。

さらに、ゴセンスならばゲレイロがコンバートした後の穴も感じさせないはずだ。実は両者、今季それぞれのリーグで残しているスタッツは類似している点も多い。ドリブル成功率(ゴセンス:63.16%[38回中24回成功]、ゲレイロ:65.22%[46回中30回成功])やクロス成功率(ゴセンス:32.73%[55本中18本成功]、ゲレイロ:30.77%[65本中20本成功)はその代表例。左WBのクオリティを落とさずにゲレイロを前線にコンバートするのであれば、後任としてゴセンスはこれ以上ない適任者なのである(各スタッツはデータサイト『Sofa Score』より)。

そういった理由から、ドルトムントはゴセンスをリストアップしているのだろう。しかし、彼には他にもユヴェントスやインテルといったクラブが獲得に乗り出しているとされる。獲得に失敗する可能性も十分にあると言っていい。

とはいえ、交渉は案外スムーズに進むかもしれない。この噂について、独『DPA』に対して口を開いたのはゴセンス本人。そのなかで、同選手はドルトムント行きの可能性について次のように語っている。

「ドルトムントでの将来かい? 正直言って、難しい質問だね。でも、正式なオファーをもらうことになれば、間違いなく真剣に考えることになるだろう。それは野心の問題だ。いつかはブンデスリーガでプレイしたいと思っていることは間違いないよ。それこそ、僕の最も大きな夢なんだからね」

明言こそ避けたものの、ドルトムント行きには思いのほか前向きなゴセンス。かねてより彼らのライバルクラブであるシャルケの大ファンであることを公言している同選手だが、移籍の判断についてそういった事情を持ち込むことはないのかもしれない。

移籍が実現すれば、ドルトムントの攻撃力を大幅にアップさせることが期待されるレフティー。はたして、ゴセンスは来季どのクラブでプレイすることとなるのだろうか。黄色軍団に“左サイドの核弾頭”が加入すれば、鬼に金棒だ。

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