アッレグリのユーヴェ復帰は既に決定事項? 来季は主役はロナウドではなく……

ユヴェントスに数々のタイトルをもたらしてきたアッレグリ氏 photo/Getty Images

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ディバラを中心に新チーム作りか

はたして、ユヴェントスは今後どのような方向へ舵を取っていくべきなのか。

2011-12シーズンから毎年のようにタイトルを手にし、前人未到のセリエA9連覇を成し遂げたユヴェントス。今季はアンドレア・ピルロ新監督のもと、2桁の大台となる10連覇を目指すことになった。しかし、2シーズン連続の指揮官交代で、たび重なるスタイルの変更を余儀なくされたことに加えて、同監督に指導経験がないということもあってか、序盤戦から勝ち点を取りこぼす試合が多い。第14節フィオレンティーナ戦まで敗れた試合こそなかったが、前半戦だけで2つの黒星に6つのドローと、近年なかなか見ることのなかった絶対王者らしくない姿を披露してしまったのだ。

ただ、マッシミリアーノ・アッレグリ時代にもスタートダッシュに失敗し、後半戦で驚異の巻き返しを見せたシーズンが何度かあった。ユヴェントスなら後半戦でなんとかやってくれると思ったファンも少なくないのではないか。しかし、ピルロのもとではそううまくはいかず。指揮官の求めるサッカーを表現し、相手を圧倒する試合もあるにはあるが、後半戦に入ってもなかなか調子を上げることができない。セリエAも残すところ5試合となったが、首位を走るインテルには勝ち点を「13」も離され、現在4位であるユヴェントスの10連覇の望みはほぼ絶たれた。それどころか、チャンピオンズリーグ圏外となる5位ACミランとは勝ち点差がなく、来季は欧州最高峰の舞台に立てない可能性すらある。
こういった状況もあり、ピルロ監督の解任話がここ数ヶ月過熱している。CLという重要なものがかかってはいるが、残り5試合までズルズルと現体制を引っ張ってきた状況と考えると、今季中の監督交代はやや考えづらいか。指揮官交代を実行するのであれば、やはりシーズン終了後だろう。

ピルロ体制続投の条件は「来季のCL出場権」の獲得。先日、そう口にしたのはディレクターのファビオ・パラティチ氏だ。しかし、伊『SPORT MEDIASET』などいくつかのメディアは、今季の順位に関わらずピルロ監督を解任し、ユヴェントスの指揮官を退任して以降フリーの状態が続いていたアッレグリ氏の再招を既に決断したと報じている。そのプランとしては、アッレグリ氏が2019年にチームを退団した際、解任をプッシュしたとされるパラティチ氏と副会長のパベル・ネドベド氏も、ピルロ監督と同時に今夏にチームを去らせるというもの(パラティチ氏とネトヴェド氏の契約は今季までとなっている模様)。先日、アニェッリ会長とは現在も良好な関係にあることをアッレグリ氏が明かしており、かつての反対派が消えることで、チームを常勝軍団へ押し上げた名将の復帰が現実味を帯びているのかもしれない。

さらに興味深いのが、アッレグリ氏が指揮官へ復帰した際のチーム方針だ。クラブの財政上、今夏にエースのクリスティアーノ・ロナウドと10番のパウロ・ディバラのどちらかを売却せざるを得ないと報じられているユヴェントス。アッレグリ氏がチームを率いることとなった場合、今季の苦戦と契約延長交渉の難航によって退団が噂されるディバラを残留させ、ロナウドを売却することを選ぶ可能性が高いようだ。そして、来季はディバラを中心に新チーム作りを進める可能性があるという。36歳のロナウドと27歳のディバラの年齢を見ても、アッレグリ氏と一緒にいた時間が長く使い勝手の良さを考えても、アッレグリ氏がディバラを来季の主役にしたいと考えるのは妥当かもしれない。

まずはCL出場権がかかっている今季の残り5試合の結果に注目したいところだが、来季の指揮官や主役が誰になるのかも気になるところ。今夏のユヴェントスは、これまで以上に大きな話題を振り撒く存在となりそうだ。

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