“短期強化プラン”でスクデットへ コンテが頼ったベテランの経験値

安定して勝ち点を稼ぐインテル photo/Getty Images

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即戦力を集めて一気にトップへ

気付けば2位とは勝ち点差が11。アントニオ・コンテ率いるインテルが安定した強さでスクデットを勝ち取ろうとしている。

このままいけばコンテはインテルに2009-10シーズン以来となるリーグタイトルをもたらすことになるわけだが、強さの秘訣はどこにあるのか。王者ユヴェントスが躓いたことも関係しているとはいえ、インテルの安定感は見事だ。

ポイントの1つは、コンテがベテランを信頼していることにある。近年は若手の獲得競争ばかり目立つが、コンテは積極的に30代の経験豊富なプレイヤーを引き抜いてきた。ユヴェントス時代にコンテと仕事を共にしたMFアルトゥーロ・ビダル(33)、プレミアでも活躍した実績を持つDFアレクサンダー・コラロフ(35)、マンチェスター・ユナイテッドで万能プレイヤーとして活躍してきたMFアシュリー・ヤング(35)、同じくマンUから獲得したFWアレクシス・サンチェス(32)など、彼らの経験値がもたらしたものも大きい。
アトレティコ・マドリードからやってきたDFディエゴ・ゴディン(現カリアリ/35)はフィットしなかったが、コンテがベテランを頼りにしてきたのは事実だ。彼らは長くチームを支えることにはならないが、短期的な結果を求めるなら非常に大きな存在となってくれる。

若手を軸に長期的な視点でチームを強化していくプランもあったはずだが、早期の結果を求めるならばコンテ流が正しかったのだろう。ユヴェントス、チェルシーに続いてインテルでもリーグタイトル獲得に近づいており、コンテは長期のリーグ戦を戦い抜く術に長けている。

今季もセリエAではリーグ最少となる29失点に守備をまとめており、ベテランの力を引き出しながら安定した戦いで首位を守ってきた。派手さはないが、この堅実な戦いこそインテルがスクデットを獲得するために必要だったものだ。

もちろんMFニコロ・バレッラやDFアレッサンドロ・バストーニらイタリアサッカー界の今後を引っ張っていくであろう若手が成長したことも見逃せないが、コンテがベテランの力を過小評価しなかったのが大きい。結果的にコンテの招聘はインテルにとって大正解だった。

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