悩めるFWに“60億円”は高すぎる NEXTドログバと期待された男の不透明な未来

今夏移籍の可能性が浮上しているチェルシーのエイブラハムだが…… photo/Getty Images

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移籍金高すぎて有力候補も撤退か

昨季、フランク・ランパード前政権下でアカデミー出身の若い選手が数多く躍動したチェルシー。特にランパード前監督の“秘蔵っ子”だったMFメイソン・マウント(22)の存在感は抜群で、彼はトーマス・トゥヘル体制となった今なおブルーズの攻撃を牽引する存在として躍動している。

しかし、その一方では少し足踏みを強いられてしまっている選手もいる。その選手とはFWタミー・エイブラハム(23)。2019-20シーズン前半戦こそ印象的な活躍を披露した彼だが、今やその存在感は相当に薄くなってしまった。

チェルシー復帰直後のパフォーマンスは素晴らしく、その得点パターンの豊富さから一時は“NEXTディディエ・ドログバ”との呼び声も高かったエイブラハム。しかし、プレミアで15得点(34試合)を奪った昨季から一転して、今季はここまで6得点(22試合)と寂しい数字に。昨季後半戦から徐々にフォームの低下は懸念されていたものの、期待のヤングスターがさっそく壁にぶち当たったことを悲しんでいる人も多いだろう。
そんななかで、エイブラハムには現在チェルシー退団の可能性が浮上中。今夏の移籍市場においてブルーズは得点力あるストライカーを求めているとされており、現地メディアの間では盛んにその候補が乱立している状況だ。その資金を稼ぐためにも、エイブラハムは売りに出される可能性が高いと英『Daily Mail』などが連日伝えている。エイブラハムとしてもこのままチェルシーで燻り続けるよりは、環境を変えて心機一転再ブレイクを狙う方がいいのかもしれない。

だが、その移籍金設定が高すぎるあまりに、エイブラハムの売却はチェルシーの目論見通り進まない可能性が出てきた。英『METRO』によると、ブルーズが同選手の売却に際してつけた値札は4000万〜4500万ポンド(約60億〜68億円)とのこと。才能は確かなものを持っているが、まだハーフシーズンしか活躍した実績のない23歳にこの値段を出すクラブがあるとは考えづらい。ましてや、昨今のコロナ禍で多くのクラブで財政状況は苦しい。

「(移籍金が4000万ポンドを超えるなら)我々は完全にエイブラハム獲得の可能性を排除するだろう。チェルシーが求めているのが本当にその金額なら、リストから除外するしかない。我々にはお金がないんだ。1人の選手のためにそこまでのお金を費やすことはできないよ。もしそんなことが起きれば、私は驚くほかない」(『METRO』より)

夏の移籍市場でエイブラハムの獲得に乗り出すとされていたウェストハムのデイビッド・モイーズ監督も、移籍金が本当にその額なら確保は難しいとこのように語る。チェルシーでプレイタイムが伸びる見込みがないのであれば、どこか別の場所で評価再浮上を……。エイブラハムにはそんな未来も見えていたはずだが、チェルシーが態度を軟化させない限りはそれも厳しいか。

“NEXTドログバ”候補と期待された男に吹き続ける逆風。はたして、エイブラハムの未来はどうなるのか。23歳FWの運命やいかに。

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