[MIXゾーン]DF昌子らが痛感した王者・川崎との大きな差 G大阪に足らないものとは
試合後のインタビューで、川崎との差を口にした昌子源 photo/スクリーンショット
速さや距離感、ゴールへ向かう姿勢
ガンバ大阪は8日、明治安田生命J1リーグ第13節で川崎フロンターレをホームへ迎え入れた。
8試合消化した時点で、失点「5」に対して得点「2」。守備陣は好調なものの、攻撃陣は不振に陥っており、今季G大阪は予想外の苦戦を強いられている。新型コロナウイルスの影響で、他クラブに比べてこなしている試合数が大幅に少ないが、現在18位(1勝4分3敗、勝ち点「7」)と、降格圏内に沈んでしまっている。
そんな中で行われた王者・川崎との一戦。天皇杯やゼロックス・スーパー杯の雪辱を果たすためにも、少しでも浮上のキッカケを掴むためにも、G大阪にとってはこの川崎戦を1つのターニングポイントとしたいところだ。下げさせたボールに対して積極的にプレスを仕掛けたり、うまく中盤でボールを引っ掛けてカウンターにつなげたりするシーンが立ち上がりから何度かあり、その意気込みも感じられた。
しかし、なかなか決定機まで持っていけないでいると、川崎の勢いが徐々に増していき、前半終了間際の41分に痛恨の失点。後半にも、途中出場を果たした三笘薫に追加点を許し、G大阪は0-2の敗戦を喫した。またしても攻撃力不足を露呈させてしまい、今季も首位を独走する王者との現時点での実力差、チーム力の差を見せつけられてしまったのだ。
宮本恒靖監督や経験豊富なDF昌子源らも試合後、川崎との差を次のように口にしていた。
◯宮本恒靖監督
「数はそれほど多くなかったですけど、シュートチャンスを迎える中で、それを枠に飛ばすとか、そういうところが足りなかった。相手陣内に入ってからのボールの動かし方は、もう少し落ち着きを持ってやれればなと思います。前半から良い形でボールを奪って、前につけてからの早い攻めというのは何回かありました。相手の最初のプレッシャーをかいくぐった後、進んだ後、相手を揺さぶるような攻撃もあったと思います。ただ、(川崎は)たくさん点を取るチームで、攻撃面でのコンビネーション、個人の仕掛け、いろんな意味で自信を持ってやっている。そういうところにプラスして、相手に隙を与えないような厳しい守備に強さを感じました」
◯DF昌子源
「球際の速さとかもやっぱり川崎さんは素晴らしかったですし、距離感の良さがすごく僕らと違うなとは感じました。僕らがビルドアップするとき、特にCBがボールを持ったときにそれぞれ(の選手)が遠いなと感じました。もちろん、(川崎の)ハメ方がうまいというのもあるんですけど、(ボールを)出しても戻ってくるケースが多かった。どうしても距離が長いぶん、インターセプトも狙われやすいし、そこまでに届かせなければならないというのもあります。そういうので、川崎さんはワンタッチ、ツータッチでポンポンと、特にワンタッチですぐ回せる距離感にみんなが集まっていたんですけど、僕らはちょっと距離があったかなと思いました。後ろの組み立てのときは特に。前半、僕からレアンドロ(・ペレイラ)に1、2本縦パスを入れたんですけど、ああいうときにすぐにサポートできる距離感が、川崎さんの方がすごくよかったなと感じました」
「(川崎は)チームの組織力に素晴らしいものがあると思います。特に攻守の切り替えの速さ。僕らが攻めたいと思っていても、すぐ川崎さんボールになってしまうことが多い。旗手(怜央)選手が(逆サイドへ向かってドリブルしている)ウチの一美(和成)選手を受け渡しせず、最後までくっついているのを見ると、すぐに奪い切るというのを徹底しているんだなと感じました。そういうのをいかにして掻い潜るか、そういうところで局面を変えていかなければならないと思いました」
「チームとして守れるとこはあると思うんですけど、正直、自分自身がノーチャンスの失点というのも出てきてしまうとこもある。サッカーはチームスポーツなんですけど、苦しいときに局面を打開できるのは、結局、個の力がメインになってくると思うんです。三笘(薫)選手、長谷川(竜也)選手のところからやられましたけど、彼らに言えるのはまずゴールに行きますよね。前に1枚いようが抜くし、(ボールを)取られてもまた抜きにくるし……。僕はDFなので、そういうのはすごい嫌です。例えば、後ろからプレスバックをされたときに、ドリブルで相手の前に身体を入れるのか、取られないようにターンをして遅攻に変えるのか、それだけでも全然違うと思います。特に長谷川選手、三笘選手、彼ら2人は本当にまずゴールにくる。僕らDFからしたら嫌ですし、そういうのはすごく感じましたね」
王者との差を痛感させられることになってしまったG大阪。昌子が述べていた長谷川や三笘を筆頭とする川崎のゴールへ向かう姿勢は、得点力不足が露呈してしまっているチームの現状を考えると、見習うべき点だろう。この試合の反省点を活かし、少し早く浮上のキッカケを掴みたいところだ。