セジョンと山本どちらを使う? ガンバの攻撃を司る両者の特長

ガンバ大阪で指揮官を務める宮本恒靖 photo/Getty Images

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惜しくも敗戦となった広島戦

昨季ほど勝ち点を積み上げられていないガンバ大阪。特に前線の得点力が壊滅的で10試合終了時点で3得点は寂しい。それでも後方からの組み立てや前線での崩しのアイデアは開幕時よりは増えており、もう少し待つ時間が必要なのかもしれない。そんな中でも攻撃で良さを見せているのがチュ・セジョンだ。

韓国の釜山アイパークでキャリアをスタートさせたセジョンは今季からガンバ大阪に加入している。代表にも選ばれており、韓国屈指の実力者だ。

そんなセジョンの強みは右足から放たれる正確なパスだろう。ショートパス、ロングパスとどちらも正確に蹴れるセジョンの存在は非常に大きいと言える。また、セットプレイでもいいボールを蹴っており、これもまたチームの武器となるだろう。

12日に行われたサンフレッチェ広島戦で先発を果たしたセジョン。井手口陽介とボランチでコンビを組んでの出場となった。井手口が中盤のフィルターとして動き回り、セジョンが展開するこの二人のコンビは明確に役割が分かれており、相性がいいように見えた。

この試合でもセジョンのロングフィードは冴えわたっていた。ビハインドで迎えた前半44分、左コーナーキックからセジョンが右足で弧を描くクロスを放つと、ファーサイドで一美和成が合わせて同点弾を奪取。セジョンの高精度のキックが生きる場面となった。また、止まったボール以外にも流れの中から高精度のパスを出せるセジョンは後半でも攻撃のタクトを振るっていた。

その後、セジョンをベンチに下げたガンバだがパサーを失って攻撃力が下がったように感じた。代わりに入った山本悠樹はパスでリズムを作るタイプだが、大きく展開を変える力はなく無難なプレイに徹していた。スペースを作るフリーランやパスでゲームを作る山本が悪いというわけではないが、右足から高精度のフィードを蹴れるセジョンの存在は大きかったと言える。今後この二人が同時にピッチに立つか分からないが、両者の共存はガンバの攻撃力をより高いものにできる一つの策なのかも知れない。

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