セリエAでの存在感は“エトー級”!? 少し地味でも20得点奪うアフリカンFW

クロトーネで得点を量産するシミー photo/Getty Images

チームは降格決定も

2020-21シーズンのセリエAで目立ったストライカー。そう聞けば、多くの人が想像するのはインテルのロメル・ルカクやACミランのズラタン・イブラヒモビッチ、ユヴェントスのクリスティアーノ・ロナウドあたりだろう。若手というカテゴリでも、注目されるのはフィオレンティーナのドゥシャン・ヴラホビッチやジェノアのジャンルカ・スカマッカといった選手たちだ。

しかし、現時点で得点ランキング5位タイに食い込んでいる少し地味なストライカーも忘れてはいけない。その選手とは、クロトーネに所属する“シミー”ことナイジェリア代表FWシメオン・ヌワンコ(29)だ。

今季すでに降格が決定しているクロトーネにあって、ひとり気を吐いているシミー。ここまでリーグ戦37試合の出場で積み重ねた得点数は、なんと驚異の「20」となっている。もう29歳と若くないうえに、降格クラブの選手とあって、そこまで注目される機会は多くない。しかし、セリエAでアフリカ出身選手が20得点以上を記録するのは、2010-11シーズンに元カメルーン代表FWサミュエル・エトー(21得点/当時インテル所属)が達成して以来2人目の快挙だ。たしかに少し地味な存在ではあるかもしれないが、これはもっと称賛されていい数字だろう。

加えて、この数字は下位クラブ相手の“固め打ち”で積み上げたものでもない。今季シミーが記録した得点の内訳を見てみると、ユヴェントス(1点:PK)やアタランタ(2点)、ナポリ(2点)、ラツィオ(2点:うちPK1点)などがある。PKでの得点も多いが、上位勢からもしっかりとゴールを奪っている点は間違いなく評価に値すると言っていい。

所属クラブこそ降格の憂き目に遭ってしまったものの、個人としては充実したシーズンを送ることとなったシミー。この暴れっぷりを見せつけたからには、今夏の移籍市場で彼を欲しがるクラブも現れるか。セリエAで暴れるアフリカンFWには、今後も注目したいところだ。

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