新オフサイドルールならヴェルナーは大活躍? 改正で影響を受けるのは

快速が持ち味であるヴェルナー photo/Getty Images

オフサイドのルールが変更されるようだ

各リーグで最終節が行われ2020-21シーズンも終わりが近づいている中、今後のサッカー界に関わる大ニュースが飛び込んできた。各紙報道によればオフサイドのルールを改正する議論が行われており、日本サッカー協会の田嶋幸三会長によると導入は来年の7月からとなる模様だ。

具体的に改正される点は、オフサイドラインに体の一部が残っていればオンサイドとなり、プレイが続行されるというものだ。現行のルールでは体の一部でもオフサイドラインを超えていれば、オフサイドとなりその場で相手がフリーキックを得ていた。

もし、このルールが適用されるとどうなるのか。一つは足の速い選手がFWとなった場合、体の一部がオフサイドラインに残っていれば良いので抜け出しが容易となる。伸ばした手足の一部などをライン内に残したまま半身リードすることができ、一方DFはリードされた状態からのスタートとなるので追い付くことができなくなるだろう。

そうなると、後方に広大なスペースが出来てしまい、いわゆるポゼッションサッカーが不利になる時代になる可能性がある。また、そのスペースをカバーするスイーパー型のキーパーが主流になり、バイエルン・ミュンヘンのマヌエル・ノイアーのような選手が評価されるようになる。

FWで言えばチェルシー所属のティモ・ヴェルナーなども恩恵を受ける選手の一人だと言える。同選手は裏抜けを得意としており、ディフェンスラインの裏に抜けてしまえば追い付けないほどの快速の持ち主だ。しかし、現行のルールではオフサイドの判定となる場面が多く、窮屈にプレイしている場面が散見されている。もし、前述した新しいルールが適用されればゴールの量産は間違いないだろう。

このようにFW側に有利に働く可能性の高いオフサイドの新ルール。田嶋会長のコメントから分かる通り、このルールはほぼ決定となっているようだ。サッカーを面白くするためにルールを変更するのは大歓迎だが、逆につまらなくなってしまえば本末転倒だ。そのためにもルール設定は慎重に行って欲しい。

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