ブンデスでの評価はうなぎ登り 中堅クラブを導いた“不屈のエアバトラー”

ウニオン・ベルリンの守備陣を支えるフリードリヒ photo/Getty Images

ウニオン・ベルリンの堅守を支えたCB

2020-21シーズンもブンデスリーガを制したのは“絶対王者”バイエルン・ミュンヘンだった。リーグ・アンのパリ・サンジェルマンやセリエAのユヴェントスなど、近年各国リーグで1強体制を築いていたクラブが優勝を逃した一方で、ドイツにおけるバイエルンの牙城は崩れなかった。

しかし、そうしたなかでも今季のブンデスでは興味を惹くトピックがいくつかあった。そのひとつがウニオン・ベルリンの奮闘だろう。2019-20シーズンに1部リーグ初参戦を果たした同クラブだが、昇格2シーズン目となった今季は7位に躍進。あまり話題にのぼることはなかったものの、彼らはバイエルンやドルトムントよりも少ない失点数(43点、リーグ4位)を記録した堅い守備を武器に、一桁順位にとどまることに成功した。これは称賛されて然るべきだろう。

そんなウニオン・ベルリンの守備陣を支えたのが、25歳のDFマルヴィン・フリードリヒだ。身長192cmのサイズを活かした空中戦の強さが売りの守備者は、今季のブンデスで最も株を上げたDFと言っても差し支えない。リーグ戦では全34試合にフル出場し、タックル数(328回)や空中戦勝利数(105回)で印象的な数字を残した同選手(データはブンデスリーガ公式サイトより)。彼を抜きにして、今季のウニオン・ベルリンを語ることは不可能だ。ときにはゲームキャプテンも任され、25歳のディフェンスリーダーはチームの守備陣を牽引した。

さらに、フリードリヒの存在感が際立ったのは守備面だけでない。実は同選手、空中戦の強さを活かしてリーグ戦で5得点を挙げており、今季ブンデスでプレイしたCBとしてはドルトムントのDFマッツ・フンメルスと並んでトップの数字を記録している。2020-21シーズンにウニオン・ベルリンが記録した総得点は「50」であることから、フリードリヒはその10%を決めていることとなる。攻守にわたって彼がチームのどれほど大きな影響を与えたかは、こうした数字からも見て取れる。

その活躍ぶりを称えて、ブンデスリーガ公式サイトもフリードリヒを“今季最もサプライズとなった5名”のうちの一人に選出している。はたして、2020-21シーズンに一気にその評価を上昇させた守備者は、来季もハイレベルなプレイをブンデスで披露してくれるのだろうか。国内強豪へのステップアップの噂も浮上しているだけに、“不屈のエアバトラー”の今後には注目したい。

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