“帰ってきた男”がチームの中心に返り咲く ドイツ代表は経験豊富な31歳を頼るべし

今季バイエルンでは充実したシーズンを過ごしたミュラー photo/Getty Images

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連携面を不安視する声もあるが

6月に開幕を迎えるEURO2020。今大会でドイツ代表のキーマンとなる選手をひとり挙げるとすれば誰になるか。何人か候補はいるが、やはり注目を集めるのはバイエルン・ミュンヘンのMFトーマス・ミュラー(31)だろう。

2年ぶりに代表復帰を果たした男を、ヨアヒム・レーヴ監督はどう起用するのか。他にもトピックはいくつかあるものの、これが現在のマンシャフトで最も興味を引く話題であることは間違いない。指揮官は彼らベテラン勢を外してチームの強化がうまくいかなかったことを認めているが、それでもいきなりスタメンで起用することはあるのか。各所で議論は渦巻いている。

「実力を考えればスタメン級なことは間違いない。しかし、いきなりミュラーをチームの中心に据えることとなれば、それはそれで疑問だ。今までの2年間はなんだったのかという話になる」
独『Spox』も、ミュラーの起用法についてはこのような見解を示している。彼の能力が高いことは間違いないものの、連携面などで一抹の不安を感じている人は現地でも決して少なくないようだ。

しかし、それでもドイツ代表はミュラーをチームの軸に据えるべきなのかもしれない。その理由は能力の高さだけではなく、チームリーダーとしても彼は重要な存在となれる可能性があるからだ。EUROのメンバー選出にあたって、ミュラーはこんな言葉を残している。

「僕にとって、システムというのはあまり重要じゃないんだ。重要なのはどんな役割を任されるかさ。ボールを持っているときは、とにかく前進して相手の懐に入り込みたいね。スペースがあれば、可能な限りアタッキングサードやPA内に侵入したい。そのために最善を尽くすよ。そして、僕はピッチ上の味方全員のモチベーターにもなりたい。大声で味方に情報を共有し、スイッチを入れることができる存在。チームをターボモードに切り替えることができる選手になりたいね」(ブンデスリーガ公式サイトより)

自分がチームを引っ張るんだという強い意志が伝わってくるミュラーのコメント。人々が気にしている連携面も、味方とのコミュニケーションを大事にする彼ならば問題なく適合することができるだろう。彼自身のプレイの引き出しの多さも、それを助けるはずだ。

不安要素があるのは理解できるが、レーヴ監督もそれは承知で今回のミュラー招集に踏み切ったはず。はたして、このベテランMFは今回のEUROでマンシャフトをどこまで導くことができるのか。欧州最強を決める大舞台において、経験豊富なアタッカーの躍動には期待がかかる。

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