イングランドの“悪夢”はいつ終わるのか 黄金世代でも失敗続きだったEUROの記憶

EURO2004でも頂点に届かなかったイングランド代表 photo/Getty Images

振り返れば苦い思い出の方が多く

2000年代前半には黄金世代と呼ばれるタレントが揃うなど、イングランド代表は常にEUROやワールドカップでタイトル獲得が求められてきた。

戦力的には毎大会のように優勝候補としてリストアップされるのだが、残念なことに過去のイングランド代表はその期待を裏切り続けてきた。特にEUROの舞台では散々な結果と言っていい。

前回のEURO2016では、決勝トーナメント1回戦で伏兵アイスランド代表にまさかの敗北。当時のイングランドを優勝候補に推していた人は多くなかったかもしれないが、それでもアイスランドに敗れるとは想定外だった。今大会は5年前以上に期待が大きいだけに、こうした伏兵に足元を掬われる展開だけは避けてほしいところ。

EURO2000ではグループステージ敗退の屈辱を味わったが、この時はルーマニア代表に2-3で敗れてしまった。

当時のルーマニアは若かったFWアドリアン・ムトゥ、DFクリスティアン・キヴ、同国の英雄MFゲオルゲ・ハジ、FWヨアン・ガネア 、MFコスミン・コントラなどタレントが揃っていたが、イングランドの方も若いMFスティーブン・ジェラードやFWエミール・へスキー、マイケル・オーウェンが代表に入り、中堅世代のデイビッド・ベッカム、ポール・スコールズ、ベテランのDFマーティン・キーオンら実力者がいた。それだけにグループステージすら突破できないのはショックが大きかっただろう。

もう1つ気がかりなのは、なぜか異様にPK戦を苦手にしていることだ。かつて黄金世代と呼ばれたイングランドには優秀なキッカーが揃っていたのだが、なぜかPK戦になると力を発揮しない。

例えばFWアラン・シアラー、テディ・シェリンガム、ロビー・ファウラー、MFポール・インス、ポール・ガスコイン、DFトニー・アダムス、ソル・キャンベルら実力者を擁していたEURO1996では、準決勝でドイツ相手にPK戦の末敗北。ちなみに唯一PKを失敗したのは、現在代表を指揮するガレス・サウスゲイトだった。

続くEURO2004では準々決勝でポルトガル代表にPK戦の末敗れた。当時のポルトガルとは妙に相性が悪く、2年後のワールドカップ・ドイツ大会でもPK戦で敗れている。当時のGKリカルドにフラストレーションを感じたサポーターは少なくないはず。

そしてEURO2008では迷走を重ねた末予選で敗れ、EURO2012では準々決勝でイタリアにPK戦で敗れた。

こうして改めて振り返ると、21世紀に入ってからのイングランドはEUROで苦い思いばかり味わっている。PK戦による敗退が続いていること、伏兵に敗れたことなど、良い思い出が少ない。

この悪夢がEURO2020でも続かないことを祈るばかりだが、今大会こそは歓喜を味わえるだろうか。優勝候補の一角には挙げられているが、過去のことがあるだけに不安を感じているサポーターもいるだろう。

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